2015年11月5日木曜日

iBasso DX80 DAPのレビュー

iBassoのポータブル・デジタルオーディオプレーヤー(DAP)「DX80」を購入したので感想をまとめてみます。

海外では2015年11月発売、価格は5万円程度ということで、最近の高音質DAPの中では比較的安価なモデルになります。

iBasso DX80

さすがにAKなど10万円クラスのDAPというのは興味があっても簡単には手が出せないので、5万円くらいというのは妥当な売れ筋路線ではないでしょうか。同価格帯にはFiio X5 2nd Gen、Cayin N5、Lotoo PAW5000、そしてソニーのウォークマンNW-ZX100などが視野に入ってくるので、非常に競争率が高いです。

私自身は、そろそろ古くなってきたFiio X5(初代)とソニーNW-ZX1から買い換えるために色々と比較試聴した結果、音質とインターフェースに魅力を感じたDX80を興味本位で購入しました。

iBasso

中国のメーカー「iBasso」は主にDAPとポータブルアンプを製造している小さなメーカーで、地味ながらも長年ハイレゾDAPの開発を熱心に頑張っています。公式サイトも個人ホームページ並のシンプルなレイアウトで(http://www.ibasso.com/)、開発スタッフなどもあまり表に出てこない、謎の多いメーカーです。(追記:DX80の発売と同時に公式サイトがカッコ良くアップデートされました・・・)。

日本での代理店はヒビノインターサウンドで、実はこちらの日本語サイトのほうが内容が充実していたりします(http://www.hibino-intersound.co.jp/ibasso_audio/)。

iBasso DX90

iBassoのDAP製品は、2012年にAndroid搭載で8万円の高級DAP「HDP-R10」を皮切りに、2013年には独自OSを搭載した2万円台の「DX50」を発表し、さらに翌年2014年にはDX50と同じ筐体で音質がアップグレードされた5万円の「DX90」が登場しました。

今回の「DX80」はこれら過去モデルとは異なり新規のデザインと設計を行った、最近のDAPトレンドを見据えた新世代のDAPとしてデビューしました。

iBassoは世界中で根強いファンベースがあるのですが、ライバルのFiioなどと比較するとあまり注目度が高くなく、永遠の二番手のような印象があります。(韓国メーカーでいうと、iRiver AKに対するCowonみたいな感じでしょうか)。

iBasso D14 "Bushmaster"

DAP製品以外ではポータブルアンプを展開しているのですが、シンプルなアルミケースや、オペアンプ交換対応など、手作り感があふれるマニアックな製品が多いです。日本でいうところのRatocやVenturecraftなどと近いようにも思えます。

また、掲示板界隈ではとてもオープンで社交的なFiioスタッフとくらべて、iBassoスタッフは多くを語らないため、ミステリアスな雰囲気があります。(その点、Fiioと比べて新製品スレが全然伸びません・・)。公式サイトや掲示板よりも、自社Facebookアカウントで製品発表を行うことが多いため、そちらをチェックする必要があります。

これまでのiBasso DAPについて

これまでのiBasso DAPというと、HDP-R10の悪夢を思い出します。Androidベースで巨大な筐体のスマホのような装置で、当時はまだ珍しいESS 9018を搭載した高音質DAPだったのですが、とにかくCPUがAndroidを満足に駆動できないほど非力だったため、頻繁なフリーズ、音飛び、クラッシュ、そしてラグで操作性は悪く、「地雷モデル」といった悪評がつきまといました。

優秀ながら忘れ去られたHDP-R10

HDP-R10は製品コンセプトや実際の音質は悪くなかったのですが、当時ギリギリの価格で色々と詰め込みすぎたせいで、肝心なユーザーインターフェースの低スペックが災いとなりました。格安パソコンを買って後で後悔するのと似たような感じですね。こればかりは多少価格を上げてでも、SoCの基本性能に余裕を持たせていれば素晴らしいDAPになっていたと思います。

余談ですが、個人的に、この手の大型サイズの6.35mmやXLR出力などをフル装備した「バッグに入れられる大型DAP」というのが欲しいのですが、今のところそういった商品は出てないですね。たとえば「パソコン+据え置きDAC・アンプ」と「ポータブルDAP」の中間になる、タブレットサイズでAndroid搭載の製品があれば人気が出そうなのですが・・。

話を戻しますが、HDP-R10の後継機として登場した「DX90」は、非常にコンパクトなボディにESS 9018K2Mと高出力オペアンプ回路を搭載し、画面はタッチスクリーン操作と、費用効果が高く色々と盛りだくさんなDAPだったので、一部マニアックなファンに支持を受けました。

しかし初期ロットで物理的な不具合やファームウェアのバグなどが重なり、レビューが酷評の嵐でこれまた「地雷」扱いになってしまいました。発売以降、地道なファームウェアアップデートでだんだんと使用感も良くなってきたのですが、当時ネットのレビューなどを読んだ人にとっては手が出しにくい商品だったと思います。やはり、どれだけファームウェアの後日修正が可能だったとしても、初回入荷ロットで悪印象があると、セールス的には大問題ですね。

今回私自身はiBassoからDX80の初回生産ロットを購入したのですが、日本国内での正式販売は今のところ遅れる予定です。

このような製品の場合、海外と比べて日本の正規代理店でのリリースが遅れることが多々あるので不満に思っている人もいるかもしれませんが、それにはれっきとした理由があります。

iBassoやFiioなど中華系メーカーの場合、初回ロットというのはほぼベータテスト的な存在なので、いくら定価を払った製品版モデルだとしても不具合が多発するのが常識です。こういうのは慣れてくると笑ってスルーできるのですが、一部購入者にとっては激怒レベルの品質管理体制です。

今回のDX80にも正規ファームウェア「Ver. 1.0」が入っていますが、細かなバグが多く、私自身もフリーズやクラッシュなどで試行錯誤している状態です。

たとえば、DX80のセールスポイントとしてマイクロSDカードが二枚搭載できるのですが、初回ファームウェアでは二枚入れても一枚しか認識しません。また、USB DACとして活用するためのドライバも、発売時にまだ手に入らない状態です。

(注:ファームウェア Ver. 1.1.2にて、上記の問題は修正されました)

そういった見切り発車で各国少数のマニアに直販した後、バグを洗い出して修正したものを、「本生産ロット」として日本などの大手市場に販売します。もし現状のまま日本で発売したとしたら、とんでもないクレームと酷評ネットレビューの嵐になると思います。

たとえばDX90の場合は通常モデルに製造ミスや貧弱なコネクタ端子など物理的不具合が多かったため、後日、日本市場向けに「DX90j」という強化版モデルを販売しましたが、今回のDX80では同じことが繰り返されないことを祈っています。

こういうアバウトな商品に慣れてくると、ソニーやオンキョーなど日本国内のメーカーがどれだけ発売前の製品テストに努力しているのか実感でき、つくづく関心します。

iBasso DX80

DX80の詳細スペックについては公式サイトなどを参照していただけると幸いですが、(というか、発売日の時点では公式サイトにDX80の製品情報が載ってないです・・)、重要なポイントは:

  • D/Aコンバーターチップはシーラス・ロジックCS4398を二個
  • クロックは最近流行りのSiTime MEMS クロックを二系統
  • ネイティブDSD(64・128)再生
  • USBインターフェースは定番のXMOS・THESYCONドライバ
  • 3.5mmヘッドホン端子と、1.6VRMS固定ライン出力端子
  • ヘッドホン出力は2.9VRMS (32Ω)
  • S/PDIFは3.5mm同軸と光兼用
  • マイクロSDカードを二枚挿せる
  • 3600mAh大容量電池
  • 3.2インチ(480×800)IPS液晶タッチスクリーン(独自OS)

と言った感じで、最近流行りの定番構成をしっかり押さえた印象を受けます。

SiTimeのクロックは2014年ごろからオーディオ機器で見かけるようになった最新デバイスで、Fiioの第二世代モデルでも採用されました。従来の水晶クロックとは異なり、シリコンの半導体デバイス上で機械振動素子を生成しています。水晶クロックの場合は低ジッターを実現するために温度管理や専用電源回路など、かなり手間がかかるのですが、MEMSクロックはそれらを必要とせずにワンチップで高性能が実現できる魅力があります。

今回DX80のD/Aコンバータにシーラス・ロジックのCS4398を採用したのは面白いですね。Fiio X5のバーブラウンPCM1792などと同様に、本来据え置き型CDプレイヤーなどで使われていたD/Aチップなので、しかもDX80は左右のデュアル構成なので、結構な電力を食います。

シーラス・ロジックというと、開発陣が旧フィリップス系でビットストリームDACの後継チップということで、SACD・DSDと相性が良く、マランツなんかがずっと採用してきた経歴があります。また、最近ではAstell & Kernの現行モデル(AK240やAK120IIなど)や、Fiio X3 2nd Genなどでも採用されるなど、ESS9018、旭化成AK4458などと並んで主力D/Aチップの一つとなっています。

ちなみに余談ですが、D/AチップメーカーのWolfsonは2014年にシーラス・ロジックに買収されたので、将来的にWM8792などのD/Aチップはシーラス・ロジックと統合して消滅するのかもしれません。

iBassoの旧モデル「DX90」ではD/AチップにESS 9018を電流出力で搭載しており、I/V変換、LPFなど、いわゆる一般的なオペアンプ回路構成でした。今回のDX80においてはD/A変換以降のアナログ回路についての公式情報は発売時点ではまだありません。CS4398は差動電圧出力チップなので、単純にLPFと増幅段のオペアンプ構成だと思いますが、具体的な内部写真などはそのうち公開されると思います。

そもそもiBassoはポータブルDACアンプが得意分野で、それらもオペアンプI/V、LPFを採用しているため、あまり他社のようにディスクリート出力段などにこだわってはいないようです。

ディスクリート構成はコストと回路面積が大きくなりますし、絶対的に音質的利点があるとは限らないため、こういったポータブルDAPの場合は確実なオペアンプ構成も悪く無いと思います。(ディスクリートのメリットは回路設計の自由度が上がるのと、狙った音質に追い込みやすいことです)。

アナログ回路の電解コンデンサ

iBassoの公式サイトにてDX80の内部写真が一部公開されましたが、ご覧のとおりニチコンFGなど、オーディオグレードの高級電解コンデンサが盛りだくさんです。電解コンというのは、近年では薄型・小型デバイスにそぐわないため人気がなく、ここまで電解コンに熱を入れているメーカーは最近では珍しいと思います。しかし音質的に往年のハイエンド銘器を支えてきたキーパーツなので、音作りにおける重要性は無視できません。

パッケージ

最近どのメーカーも高品質なパッケージに力を入れていますが、iBasso DX80も例に漏れずカッコいいボックスデザインです。

高級感のあるボックス

スリップケースの下にもロゴがあります

AKなどを彷彿させる厚紙ボックスで、スリップケースを外すとiBassoのロゴがエンボスされています。

本体のプレゼンテーションが上手です

説明書と画面保護シールなど

付属品はこんな感じです(謎のエージングケーブルも・・)

蓋をあけると本体が斜めに鎮座しており、その下には保証書類と保護シールが二枚入っていました。付属品は上げ底のボックスに入っており、USBケーブル、S/PDIF用RCA・3.5mm変換ケーブル、そしてiBasso定番のエージングケーブルがあります。

シリコンケースは地味です

付属のシリコンケースは地味で不格好なのであまり使いたくありません。専用のレザーケースなんかがあれば購入したいです。

S/PDIFケーブルは太いです

S/PDIF用変換ケーブルは一般的なメスRCA端子ではなく、オス型で短く太いケーブルなので、DACと接続するには便利ですが扱いが厄介な場面もあるかもしれません。

DX90にも付属していた本体エージング用ケーブル

付属のエージングケーブルというのは、3.5mmステレオケーブルの先に負荷抵抗が入っているもので、いわゆる擬似的にヘッドホンを接続した状態にするケーブルです。

iBassoの主張として、DX80は開封後に約100時間の再生を行うことで音質が良くなるらしいので、その際にヘッドホンを接続しておく代わりにこのエージングケーブルを使うことで、静かな状態で鳴らしっぱなしにできるということです。ちなみに何も接続していない状態だとアンプ回路が無負荷なのでエージング効果が無いということです。

ちなみに「DAPのエージングというのは本当に必要か」、というのはよく議論されていますが、まあ高価な高音質ケーブルなどと違って余分なお金がかかるわけではないので、あまり深く考えないのが良いと思います。(逆に、長く使っていると音質が劣化するのであれば問題ですが・・)。

たとえばスピーカー用のパワーアンプなどではミリファラド単位の大型電解コンデンサを多数搭載しており、それらはハンダ付けの熱でダメージを受けるため、電解レイヤを再構成するために長時間使用して電流を流す必要があります。それまでリップルなどで整流回路が不安定なので、音質的にエージングが必要だ、というケースもあります。

DX80の場合はそこまで大電流を扱うわけでもないのですが、冒頭の内部写真を見るかぎり、他社以上に電解コンデンサの選定にこだわっているようなので、そういった意味では同社のポリシーとして、エージングを推奨しているのかもしれません。

本体デザイン

DX80はソニーNW-ZX1やFiio X5 2ndなどとくらべて大ぶりでゴツいデザインですが、ソニーNW-ZX2と比較するとコンパクトに感じます。縦長なので手が小さい人でも操作は快適です。写真でも見られるように、液晶画面の発色はとても綺麗です。

大型のタッチスクリーンと物理ボタンが特徴的です

ショップにあったX5 2nd GenとDX90との比較

ソニーNW-ZX1よりは若干大きいです

ソニーと比較すると厚みも結構あります

角が鋭利なので、触ると痛いです

唯一気になるポイントは、シャーシの角がかなり鋭利なので、ズボンのポケットなどに頻繁に入れていると穴が空いてしまうかもしれません。

ボリュームボタンは押しやすいです

画面ON/OFFボタンです。側面はザラザラしたプラスチック製です

本体右側面のボリュームボタンは大きく確実性がありますし、左側の画面消灯ボタンと合わせて、片手で持った際にちょうど押しやすい配置になっています。

マイクロSDスロットは珍しい二段重ねタイプです

マイクロSDとマイクロUSB端子は本体上面で、ヘッドホン端子は本体下面なので、Fiio X5とは真逆の配置です。

DX80を使ってまずはじめに驚いたのは、ヘッドホン端子がとても強固で、イヤホンジャックの抜き差しに結構な力が必要です。勝手に抜けたりしないですし確実性があって良いのですが、ここまで挿入が硬い端子は初めてです。どれくらいかというと、ヘッドホンのケーブルを持ってDX80をぐるぐる回しても絶対に外れないくらい硬いです(実際に確認しました)。多分DX90にて端子の接触不良のトラブルが多かったため、そのための対策なのかもしれません。

画面操作

この価格帯のDAPで大画面タッチスクリーン操作というのはなかなか無いため、それがDX80のセールスポイントになりそうです。

Androidではなく、シンプルな音楽再生のみの独自OSを搭載しているため、韓国のAstell & KernやCowonなどと似たようなアプローチです。

設定画面

OSそのものは基本的に旧モデルDX90と似ていますが、多少進化した部分もあるようです。特に画面が大きくなったのは操作性においては非常に有利ですが、その分筐体のサイズも大きくなってしまったのは残念です。個人的には画面下部の物理ボタンは必要無いと思うのですが(というかNW-ZX1などのように本体側面でも良いと思うのですが)、これはDX90から継承したiBassoのアイデンティティなのかもしれません。

日本語表示も非常にすばらしく、よくありがちな不思議な中華翻訳などでは無いので嬉しいです。

実は、これらの物理ボタンは(ボリュームボタンを含めて)Ver 1.1.2ファームウェアでは画面消灯時もロックされないため、ポケットの中で故意に押してしまうことが多々あります。もちろんカチッというしっかりとしたボタンなのですが、気になる人もいるかと思います。

ボリュームボタンを押すと、画面にグラフが表示されます

側面のボリュームボタンは、期待以上にレスポンスが良好で、画面に表示される円グラフと同期します。音量は150ステップあるのですが、操作性は絶妙に良く、ちょい押しで一コマ単位、長押しでスーっとスムーズに音量が変わるので、大変快適です。

一つ気になったのは巻き戻しボタンで、ファームウェアのミスかもしれませんが、音楽再生中はその曲の最初に戻るのですが、音楽ポーズ中は一個前の曲に戻ってしまいます。この挙動は他のDAPや音楽再生ソフトとは異なるため、使用中に戸惑います。(今後修正されるかもしれません)。

再生画面
左にスワイプすると曲選択画面になります(日本語表示にしてみました)
右にスワイプすると設定画面になります
詳細設定画面
上からスワイプすると各種設定のショートカットが出てきます

画面構成は、アルバムジャケット表示の再生画面を起点として、右にスワイプすると各種設定、左にスワイプすると曲選択、そして上からスワイプすると主要な設定のショートカットが現れます。慣れるまでちょっと戸惑いますが、使い慣れれば非常に快適です。

アルバムリストのスクロールは快適です

右上のボタンで、タイル表示にも切り替えられます

再生画面では若干のラグが感じられるのですが、アルバムや曲選択画面のスクロールなどはとてもスムーズで快適なレスポンスです。

128GB相当のALAC・DSFなどを取り込んだあとも、問題なくスイスイとアルバム選択などができました。しかし、個人的にベストだと思うCowon Plenueの快適さと比べると、若干のラグや引っ掛かりが感じられます。とくに、メモリへのキャッシュに時間がかかるらしく、画面切り替え後にすぐにスクロールするとカクカクするのですが、数秒待ってからだとスムーズになります。この辺はファームウェアで改善するかもしれません。

ともかく、数百曲の音楽データをスクロールする場合、Fiioのようなジョグダイヤルでは延々とグルグル回す辛さがあるので、その点タッチスクリーンのスワイプは快適です。

唯一不満があるのは、DX90と同様に画面左上にある「戻る」ボタンがとても小さいため、頻繁に使用するのに毎回狙って押さないといけないのが面倒です。他のアイコンはAKなどを見習って大きな四角いボタンなのですが、なぜ「戻る」ボタンだけこんなに小さいのか意味がわかりません。個人的にはこの「戻る」を物理ボタンにして欲しかったです。

また、取り込まれた曲データについてはFiioなどのOSとほぼ同じような扱い方で、選曲方法は、アルバム、アーティスト、ジャンルの三種類と、SDカードのフォルダブラウザがあります。

「アーティスト」から選ぶと、そのアーティストの全曲が通し一覧になるのですが、「ジャンル」→「アーティスト」と選ぶと、そのアーティストの各アルバムごとに選択できるなどの、統一感のなさもありますが、使用上の支障はありません。

128GBを超えて管理する音楽ファイルが膨大になるにつれて、メタデータでの検索は重要になってきますので、たとえば「最近追加したアルバム」や、「録音年順」などのカスタムリストが作成できるようなDAPが欲しいですが、残念ながら今のところほとんどのDAPにて詳細タグ情報は無視されるのが現状です。(たとえばDX80でも「アルバムアーティスト」タグは無視されます)。

その他の機能

上記機能以外では、まずDSPのフィルタがシャープとスローの二種類から選択できます。これはD/AチップCS4398の内蔵機能なので、音質の好みに合わせて選びます。あまり大きな音質差は感じられませんが、このDAPに限ってはシャープのほうが良いと思いました。

USBケーブル接続時のモード設定

また、USB設定画面で、パソコンに接続した際の挙動を選択できます。Fiioなどと同様にDACモードとストレージモードが選べますし、さらに充電のみのモードもあります。DACモードについては、当然ながら公式サイトからWindows用ドライバをダウンロードする必要があります。

Sandisk Extreme Pro 64GBで、DX80と、外付けカードリーダーの比較

USBストレージモードはUSB2.0なので、もし大量に楽曲を転送したい場合には別途高速カードリーダーを使ったほうが良いかもしれません。

ファームウェアのバグ

iBassoというとDX90のトラブルを連想する人が多いのではないでしょうか。DX90は商品としてのハードウェアは非常に魅力的だったのですが、搭載されているOS(ファームウェア)の出来が致命的に悪く、不具合が多発して、ネット掲示板などではいわゆる「地雷」として扱われていました。

小規模なメーカーなことは承知していますが、限りなく対応が遅かったため、最終的に数カ月後にファームウェアが安定し始めたころには、もはや名誉挽回には手遅れだったようです。そのころには、有志ユーザーにより自作の「カスタムファームウェア」などが公開され、iBasso製よりも優れているなど、本末転倒な事態になっていました。

DX80においても、やはり初回ロットのファームウェア(Ver 1.0)には不具合がたくさんあります。トラブルの多くはSDカードの対応と、DSFなどの一部タグ読み込みなどで、実用上は致命的なバグはあまりありません。

たとえばゲイン設定をLOWにしても、再起動後にはHIGHになっているとか、ランダム再生すると画面上の曲表示が更新されないとか、しょうもないトラブルが多いですが、意識していれば回避できます。(Ver. 1.1.2で修正されました)

個人的には、Sandisk 128GB マイクロSDカードで色々と不具合が多かったため、その辺の対策を早急に行って欲しいです。具体的にはスキャンが途中で止まる、USBストレージモードで接続してもパソコン上に表示されない、などといった感じです。(Ver. 1.1.2で修正されました)

128GB目一杯に音楽データを入れてあると、スキャンに5分程度かかります。(データ量よりも、曲数に依存するので、大量のMP3ファイルなどをスキャンするには相当時間がかかるようです)。体感的にはFiioの倍程度の時間でしたが、HiFiMANやLotooなどと比べると速い方です。

ともかく、DX80のファームウェアに関しては心配しているユーザーも多いと思いますが、これといって致命的なものは無く、今のところ確認されているバグはほとんど発売後のVer. 1.1.2にて修正されたようです。

ファームウェア V 1.1.2

2015年11月13日に、iBasso公式サイトがアップデートされたと同時にDX80の更新ファームウェア第一弾「V 1.1.2」が公開されました。

これは主にバグ修正のみのようで、具体的にはSDカードのスキャン中フリーズ問題が解消され、カード二枚同時使用も可能になりました。また、パソコンへUSBでのストレージ接続時に128GBカードもアクセスできるようになりました。また、アルバム最終曲の最後数秒が途切れてしまう問題も解消されています。

それ以外のインターフェース使用感や音質などはあまり変わっていないようです。

ファームウェアの更新は、公式サイトからダウンロードしたRARファイルからIMGファイルを展開して、SDカードのルートにコピーします。DX80の第二スロット(本体背面に近い方)に挿入すると、システム設定画面に「アップデート」用のボタンが現れます。これを押すことで自動的にアップデートが開始されます。

ちなみに、個人的には128GBカードではアップデートできず、64GBカードでもexFATではアップデート中にエラーで停止してしまいます。64GBのカードをFATでフォーマットすることで、無事にアップデートが完了しました。

バッテリー

私が購入したものは開封時にすでに100%充電されており、そのまま充電せずに使ってみたところ、ハイレゾALACのループ再生で10時間程度で残量7%だったので、スペックの10~11時間というのもあながち嘘ではなさそうです。

もちろんLCD画面の点灯が一番電力を消費しますし、ヘッドホンの負荷や音量、そしてDSDやハイレゾファイルのデコード処理などによっても消費電力は変わってくるので、スペックというのはノートパソコンの電池残量くらいアテにならないのですが、少なくともDX80は大型筐体になったおかげでDX90と比べてかなり電池が長持ちするようです。

充電中は1.5A程度供給できます

タブレット用のUSB急速充電器で充電してみたところ1.5A以上流せたので(電池残量によりますが)、それなりにパワフルな充電器を活用するメリットはありそうです。ご存知の通り1Aを超える充電の場合USBケーブルの品質に依存するので、その辺は注意が必要です。

ヘッドホン出力

ポータブルDAPというと一番気になるのが出力電圧とインピーダンスですが、簡単に測ってみたところ、ほぼFiio X5(初代)と同等の結果になりました。

最大音量での電圧

1kHz 0dBFS信号での無負荷時の最大電圧はハイゲインモードで9.1Vp-p (3.2Vrms)、ローゲインモードで5.0Vp-p (1.8Vrms)で、負荷50Ω程度まで安定しています。負荷が増大すると最大ボリューム位置(150)ではクリッピングが発生しますが、ボリュームを100~120程度に下げていれば低インピーダンスまで問題なく対応してくれます。

ようするに、一般的なヘッドホンを鳴らすのに十分な出力を持っており、ごく一部の超低能率ヘッドホンを除いて快適な音量が得られます。また、ハイゲイン、ローゲインともに、グラフ上で見てもFiio X5と似た特性だということが分かります。参考までに、先日レビューしたChord Mojoの高出力ぶりと、典型的なスマホ(Xperia Z3 Compact)のショボいヘッドホン出力も掲載してあります。

DX80には固定ライン出力専用端子がついており、無負荷時にはスペック通り5Vp-p (1.7Vrms)程度出せますが、100Ω程度の高インピーダンス出力なので、プリアンプなどの高インピーダンス受け限定になります。

DSD再生時のフィルタはこんな感じです(ライン出力で無音ファイル再生)

DSD再生はネイティブに扱っており、イコライザーなどは一切バイパスされます。DSD用のLPFは寛容に設定されているようで、ノイズシェーピングの残留高周波ノイズは結構残っています。

同軸S/PDIF出力も非常に優秀です

S/PDIF端子は同軸デジタルのみでテストしてみましたが、極めてクリーンなS/PDIF波形なのでトランスポートとしても優秀です。192kHzなどのハイレゾPCMでも問題ありませんでしたが、DSD再生時にはS/PDIF出力がOFFになるようです。(つまりDoP出力はできないようです)。

音質について

操作性や使用感についてはそこそこ良好なDX80ですが、肝心の音質についてはどうでしょうか。iBassoによると100時間以上のエージングが必要らしいですが、今のところ20時間ほど鳴らしこんだ状態でリスニングしています。

まずはじめに、音質の傾向は前モデルの「DX90」とはかなり異なっています。DX90は万人受けするようなスムーズでマイルド調の音作りで、いわゆるオールマイティなハイレゾDAPといった感じのサウンドだと感じています。今回DX80を購入前に店頭でDX90と比較してみたところ、DX80はかなり個性が強い音色だと思いました。また、ライバルのFiio X5やAK Jrとも根本的に異なるサウンドなので、比較試聴すればきっとどちらかに好き嫌いが別れると思います。


フランスのハルモニア・ムンディから、昨年惜しまれつつも解散を宣言した「東京クヮルテット」のベートーヴェン・弦楽四重奏全集を試聴に使ってみました。四重奏はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの各楽器が担当する音域が明確に構成されているため、オーディオ機器のテストを行う際に最適なジャンルです。また、シンプルなマイク構成で「一発撮り」が多いため、過度なスタジオ編集が少ないことも魅力です。最近全集BOXが発売されて、しかもSACDなので超お買い得です(私は発売当時に一枚づつ買っていたので、悔し涙をのんでいます)。

豊かな弦楽器の響きを楽みながら感じられたDX80の個性とは、広がりを持った低音の空間です。他のDAPと比較するとDX80はかなり低音が強調されているように感じられるのですが、それが音圧や篭もりで他の音域にかぶるのではなく、空間的に余裕を持って鳴っている印象を受けます。

低音が強いというと、ボンボン、ドスンドスンといったインパクトが強いサウンドを想像するかもしれませんが、DX80はそれとは根本的に異なり、空間の広さが他社のDAPと比較して異質に感じました。低音以外の、たとえば中高域の音像は比較的カッチリしており、音像も近く、空気感や派手さが無いのですが、低音部分だけはワイドでダイナミックな音場表現を持っています。

一般的なハイレゾDAPの場合、低音はセンター寄りでインパクト重視、そして高音が伸びやかでワイドな音場表現、といった音作りが多いと思うのですが(そのほうが高音重視の「ハイレゾ」っぽいサウンドになるので)、DX80はその真逆で不思議なプレゼンテーションだと感じます。また、一部のDAPでは低音が耳に迫ってくるような不快な音圧を感じるものがありますが、DX80は低音が豊かながら一定の距離感があります。

低域の表現力は、とくにリアルな低音楽器に効果を発揮してくれるので、ジャズのベースやクラシックのティンパニ、ピアノの左手など、高調波まで豊かな響きを持っている楽器のサウンドは、空間を最大限に使って鳴り響いてくれます。たとえばピアノのコード伴奏がバンド全体を支えているような安定感を発揮します。ロックのドラムも、音圧に圧倒されることなくパワフルに鳴り響きます。逆に、デジタルシンセのキックドラムなど、このような倍音成分の無い電子的なベースサウンドは、DX80特有の空間を生かせないので低音過多に感じられるかもしれません。

低音の充実感とは対照的に、DX80の高音域はあまり響きが派手ではなく、はっきり言って「地味」だと感じました。解像感もそこそこといった感じで、目の前にあるリアリズムというよりは、安定して距離感を持った明確なサウンドステージを演出しているといった雰囲気です。ただし、刺さるような印象は皆無なので、そういった意味では上手にコントロールできているのだと思います。

たとえばFiio X5のようなシャープなモニター調の音作りや、ソニーNW-ZX1のような美音を最大限に活かす繊細な音色とは異なります。高域が過度にロールオフされているというふうには思えないのですが、なんというか華やかさがあまり表に出ない、しっかりとしたソリッド感です。この辺はAKやNW-ZX1のほうが一枚上手かも知れません。

たとえば前回紹介したChord Mojoは、DX80よりも中域が柔らかく、質感を繊細に表現していますが、DX80ほどの低域の量感は感じられません。(トータルの音質や再現性でいえばMojoのほうが優れていると思います)。

また、中低域重視というとソニーNW-ZX2が有名ですが、あちらはソニー特有の弦楽器単音などの響きの美しさがある反面、若干中低域に響きが被りスピード感が悪い印象もあるので、好みが分かれます。

今回のリスニングには、最近購入したベイヤーダイナミックAK T8iEと、AKG K3003を使用したのですが、K3003が特筆して相性が良いと感じました。

AK T8iEは比較的おとなしめで豊かなサウンドステージをを持っているため、DX80と合わせると切れ味が悪いマイルドなサウンドになってしまいます。K3003は本質的にクリアで活き活きとしており、多くの人にとっては若干「高音過多」なサウンドなので、DX80との組み合わせはK3003の良さを失わずに、さらに豊かな中低域の量感を付け足してくれます。

よくDAPのレビューなどで、「どのヘッドホンでも活かせる万能なサウンド」といった表現を使いますが、DX80にかぎってはヘッドホンとの相性が重要です。たとえばスタジオモニター系などの高域が若干厳しいタイプのヘッドホンはDX80と合わせることでバランスよく鳴らせるかもしれません。


インパルス・レーベルから、コルトレーン中期の傑作「Coltrane」を、Analogue ProductionsリマスターのDSDで試聴してみました。「インパルス」は1960年台にアメリカのメディア大手「ABCパラマウント」が設立したジャズの名門レーベルで、潤沢な予算のおかげで一流のアーティストに好き勝手をさせて、極上の音楽芸術とサウンド・クオリティを両立させた稀に見る優秀レーベルです。

Analogue Productions盤はコルトレーンの熱気あふれるブローも色褪せることなくDSD化されているのですが、古い録音のため再生装置によってはシビアで聴きづらいこともあります。DX80はこのような録音でも、ノイズや音割れなどで破綻せず、どっしりとした骨太の音楽を演出してくれます。

今回は大型ヘッドホンのUltrasone Performance 880を使用してみましたが、DX80はコルトレーンのソロはあえて最前面に出さず、それよりもエルビン・ジョーンズの奇想天外なドラム演奏が印象に残ります。低音の音場感はもちろんのこと、スネアやハイハットも重厚に響き、単なるシャンシャン鳴っているだけではなく、一打一打の音色が豊かに表現されています。


ジャズの最新アルバムで、Mack Avenueレーベルから、稀代のベース奏者クリスチャン・マクブライドの2015年新譜「Live at the Village Vanguard」を聴いてみました。

ニューヨークの名門ジャズ・バー「ヴィレッジ・ヴァンガード」からのライブ・アルバムということで臨場感は抜群で、たまに聴こえる聴衆の掛け声や、グラスを傾ける音なども、雰囲気に加担しています。ピアノトリオアルバムということで、ピアニスト「クリスチャン・サンズ」の超絶高速プレイに耳が行きがちなのですが、DX80を通して聴くことでベースを弾くマクブライドの表現力が十二分に楽しめます。

また、マクブライドのトリオというとドラムのユリシーズ・オウェンズも名物なのですが、(オウェンズ名義のCriss Crossレーベル「Unanimous」も優秀盤です)、彼の正確無比で入念に仕込みを整えたドラミングはDX80の空間余裕を十分に発揮できるハイライトです。

大型ヘッドホンの駆動

今回DX80はどの程度のヘッドホンまで鳴らしきれるのか確認のため、いくつかのヘッドホンを試してみました。

ジャズアルバムを試聴している際には、ボリュームが最大150ステップの中でK3003やAK T8iEでは70、Ultrasone Performance 880では85、ベイヤーダイナミックT1とゼンハイザーHD800では100前後、ベイヤーダイナミックDT880(600Ω)では120程度でした

さすがにChord Mojoほどの駆動力は無いため、T1やDT880のようなヘッドホンになると音抜けが悪くなります。十分な音量は確保できますが、DX80の魅力である低域の空間余裕が失われてしまい、荒っぽく固まってしまいました。

実は、一番おもしろかったのはゼンハイザーHD800です。繊細で比較的「薄い」サウンドで有名なHD800ですが、DX80との組み合わせは中低域のソリッド感を補う役割を演じてくれるので、個人的には好みの音になりました。HD700でも同様の効果を期待したのですが、残念ながら硬質でアタック感の強いHD700のサウンドは、DX80よりももっとフワッとした響き重視のアンプのほうが適していると思いました(たとえばNW-ZX2なんかは相性が良いと思います)。

また、音やせしやすいFostex TH600でも力強く豊かなサウンドを描いてくれたので、特定のヘッドホンとの組み合わせでは絶大な効果を発揮しそうな潜在能力を感じました。

総合的に見て、駆動力という面ではほぼFiio X5と同様の結果になり、一般的なIEMやポータブル用ヘッドホンでは問題なく活用できますが、低能率の室内用大型ヘッドホンなどの場合はDX80の魅力である「余裕」が損なわれる可能性があるようです。

まとめ

iBasso DX80は価格以上に充実した機能と音質を持った魅力的なDAPだと思いました。IEMはもちろんのこと、中型ヘッドホンを量感豊かに鳴らせることがセールスポイントになりそうです。

初回ファームウェアの諸問題はアップデートなどで対処されると思うので、あえてマイナス点として考慮しないことにすれば、基本的な操作性やOSの完成度はとても優れています。

とくに、前モデル「DX90」の苦い経験を活かした精巧でしっかりとした筐体デザインや、大画面でのタッチスクリーン操作とアルバムジャケット表示、そしてマイクロSDカード2枚刺しというのは多くの人が求めているスペックだと思います。

残念ながら最近人気のバランス駆動には対応していませんが、この価格帯においてバランス駆動のためにアンプ回路に二倍のコストを割くのは利口とは思えません。DX80の場合、3.5mmアンバランスでも十分な駆動力と音質性能を発揮できていると思います。

音質的には、低音の豊かな音場感が特徴的ですが、万人受けする音作りではないので試聴は必須かも知れません。BA型IEMやスタジオモニターなど、シャープなサウンドのヘッドホンとの相性は抜群です。

個人的にはどちらかというと同価格帯のFiio X5 2nd genの音質のほうが好みなのですが、Fiioの質素なインターフェースとくらべて、DX80のタッチスクリーンには音質差を無視できるほどの魅力を感じました。

余談ですが、12月にはAndroid OSを搭載したFiio X7が発売されるので、そちらにも期待しています。しかし価格は10万円近くになりそうですし、またX7は将来的にアンプモジュールが交換可能なことがセールスポイントなのですが、初回で同梱されるアンプモジュールがIEM専用の非力なタイプなので、若干懸念しています(32ΩでDX80の260mWに対してX7は100mW)。

10万円となるとCowon PlenueやAK各種も価格帯に入ってくるので、DX80よりも一ランク上のDAPクラスになるのですが、音質面で言えばDX80は十分にこれらと真っ向から対抗できるだけのポテンシャルを秘めていると思いました。

個人的には、10万円クラスのDAPというのは音質そのものよりも、AndroidベースやCowon、AKなどのような高速SoCプロセッサを搭載した5万円DAPでは実現できない超快適なインターフェースが魅力だと思うので、DX80はその域に達するまであと一息といったところです。(もちろんLotoo PAW GoldのようなショボいインターフェースのDAPもあるわけですが・・)。

内蔵CPUやメモリ処理速度の問題で、コスト的に厳しい部分もあると思いますが、今後DX80がベストセラーになりiBasso開発スタッフがファームウェアのアップデートに乗り気になってくれれば、最終的に素晴らしいDAPになりそうです。たとえばFiioの初代X3なんかは、先日「最終ファームウェア Ver. 3.4」が公開されましたが、操作性や安定性、そして音質面でも初代ファームウェアとは比べ物にならないほど素晴らしいものに進化を遂げました。(ファームウェアで音質が変わるのも不思議に思うかもしれませんが、DSP演算負荷の効率化ができるので、音質に影響が出る場合もあります)。

iBasso DX90も、掲示板の有志達で超優秀なカスタムファームウェア開発が進みましたが、今回DX80では、iBassoはDIYに頼らずに自社スタッフの力量で、DAPの進化に励んで欲しいです。

とりあえず、DX90以来のiBasso渾身のDAPなので、豊かなサウンドを味わいながら長い目で見守ろうと思っています。