2017年4月26日水曜日

Cowon Plenue 2 の試聴レビュー

韓国のオーディオメーカーCowonから、新作DAP(デジタルオーディオプレイヤー)「Plenue 2」を試聴してきましたので、感想とかを書いておきます。

Cowon Plenue 2

2017年4月発売、価格はおよそ16万円という高価なDAPで、2014年に登場した「Plenue 1」の後継機という位置付けのようです。Plenue 1はスペック的にもそろそろ古くなってきていたので、後継機を待ち望んでいた人は多いのではないでしょうか。

私自身はCowonの「Plenue S」というモデルを現在メインDAPとして愛用しているので、この「Plenue 2」の実力はどのようなものなのか、とても気になっていました。


Cowon Plenueシリーズ

Cowonというと、同じく韓国のiRiver (Astell & Kern)のライバルといった関係だったのですが、ここ数年はAstell & Kernブランドの爆発的ヒットによって、知名度が大きく引き離されたような印象があります。個人的に好きなメーカーなので、ようやく新作をリリースしてくれたことは素直に嬉しいです。

左からPlenue 1、Plenue 2、Plenue S

借り物なので新品保護フィルムがみすぼらしい写真になってしまいましたが、歴代Plenueの中から「Plenue 1」「Plenue 2」「Plenue S」を並べてみました。

「Plenue」という名前はCowon DAPの中でも高音質に重点を置いたプレミアムモデルに与えられるブランド名なので、トヨタにおけるレクサスみたいなものでしょうか。iRiver社が「Astell & Kern」という名前を使うのと同じ感覚のようです。

これまでに発売されたPlenueシリーズの歴史を見てみると、まず最初に2014年の「Plenue 1」から始まり、そこから:
  • 2014年 Plenue 1 (13万円)
  • 2015年 Plenue M (9万円)
  • 2015年 Plenue D (3万円)
  • 2016年 Plenue S (23万円)
  • 2016年 Plenue M2 (8万円)
  • 2017年 Plenue 2 (16万円)

といった流れになっています。つまり第一世代の「Plenue 1」と「Plenue M」というコンビが、最近になって「第2世代」モデル「Plenue 2」「Plenue M2」に世代交代したという感じです。

面白いことに、搭載D/Aチップだけを見ると、
  • 2014年 Plenue 1 Burr Brown PCM1792A
  • 2015年 Plenue M Burr Brown PCM1975
  • 2015年 Plenue D Wolfson WM8998
  • 2016年 Plenue S Burr Brown PCM1792A(DSD256)*バランス接続対応
  • 2016年 Plenue M2 Burr Brown PCM1795
  • 2017年 Plenue 2 旭化成AK4497EQ(DSD128)*バランス接続対応

このように、ポケットサイズのPlenue Dを除くと、今回のPlenue 2で初めて、それまでのバーブラウンを捨てて旭化成D/Aチップを搭載したということで、Plenue史上において意欲的なモデルになっています。

Plenue 1(左)とPlenue M(右)

Plenue 2(左)とPlenue M2(右)

ちなみに、初代のPlenue 1とPlenue Mは、性能やDACチップのグレードが異なるのみで、外観はほぼそっくりの兄弟機だったのですが、第二世代のPlenue 2とM2は外観から中身まで根本的に異なるデザインに分かれています。そのため、両モデルの価格差も大きく開きました。

上に示した価格は、登場時の価格なので、現在の店頭販売価格は古いモデルになるほど割安になっています。たとえば今これを書いている時点でPlenue 1であれば8万円台ですし、23万円のPlenue Sも20万円くらいで手に入ります。

つまり、そろそろ古くなってきたPlenue 1のオーナーたちは、かなり大きな価格差を考慮した上でPlenue 2に買い換えるメリットがあるのか、というのが気になるところでしょう。

そして、私みたいに昨年Plenue Sを買った人、もしくはPlenue Sの購入を検討している人は、実際Plenue 2とどっちのほうが優れたDAPなのか、かなり気がかりです。

もちろん、Plenue 2は一応Plenue SではなくPlenue 1の後継ということで、たとえばDSD256が再生できないなど紙面スペックは落としているのですが、だからといって音質も劣るということではありません。

とくに、新型D/Aチップを搭載することでオーディオ回路の全面的な見直しがあったとするなら、Plenue Sよりも進化した次世代のサウンドである可能性もあります。

「値段が高い=音質が良い」という保証は無い、というところが、日進月歩のハイテクオーディオガジェット業界の面白いところです。

とは言っても、Plenue 2の16万円というのはかなり高価ですね。一昔前のスペック競争時だったら、タッチスクリーンやDSD対応など、価格ごとに差別化が図られていましたけど、最近では10万円以下で素晴らしいDAPが続々登場しているので、よほど音質に自信があるのでなければ難しい価格設定だと思います。

デザイン

今回の試聴機は借り物だったので、画面には出荷時の保護フィルムシールが貼られたままでした。実際はフィルムを剥がせばもっと画面が綺麗に見えると思います。

Plenue 2(左)とPlenue S(右)を比べてみました

ちなみに上の写真にあるPlenue Sは、友人が韓国のネットショップから強化ガラス保護フィルムなるものを手に入れてくれたので、それを使っています。ツルツルで発色も良く、かなり満足しています。

Plenue 2の本体デザインは、昨年の「Plenue M2」から引き続き、直線的でメカニカルなスタイリングになっています。

それまでPlenueシリーズというと、Plenue 1・M・Sともに、「ただの長方形のハコ」といったシンプルなデザインだったため、今回のカクカクしたメカニカルなデザインはずいぶん攻めてるなと思いました。

あまり成金趣味っぽくもなく、サイバーミリタリー系とかゴツゴツした男性用腕時計とかが好きな人に受けそうなデザインです。なんとなくパイオニアXPA-700とかXDP-100とかも連想します。

全体のサイズ感はPlenue 1とよく似ており、厚みが結構ありますが、ゴツく見えながらも重さは想像以上に軽かったので驚きました。Plenue 1が173g、Plenue 2が193g、Plenue Sが204gということで、どちらかというとPlenue Sに近いですね。

ボリュームとマルチホイール

Plenue 2のデザインポイントとして、ボリューム操作がAstell & Kernのようなカチカチと回転するエンコーダーダイヤル式になり、その左隣りには後述する「マルチホイール」があります。

二つのダイヤルが並んでいると、なんとなくフィールドレコーダーとかみたいなプロ用機器を連想させますね。

この部分はアルミハウジングに段差と切り込みがあり、隙間にある半透明パーツからLEDが発光するというギミックです。

実はこのように段差になっているデザインはPlenue D以降、Plenue S、Plenue M2でも一応見られたので、Plenueブランドのデザインアイコンなのでしょう。そのため、この部分のアルミ機械加工は入念に作り込まれています。実物の質感は写真以上に高品質だと思いました。

高価なDAPだけあって、こういった部分は、たとえば3万円くらいの安価なDAPでは実現できないクオリティです。

Plenue 2は下側にヘッドホンジャックがあります

3.5mm ヘッドホン端子はS/PDIF光出力兼用、マイクロSDカードスロットは1枚、内蔵ストレージは128GB、マイクロUSB端子、本体側面には電源とトランスポートボタン、といった感じで、新たに追加された二つのホイール以外の部分ではPlenue Sとほとんど一緒です。

一つだけ異なるポイントとして、Plenue 2のヘッドホンジャックは本体下側にあります。Plenue Sではジャックが上側にあって、下側には専用据え置きドック連結用のライン出力ピンが並んでいましたが、実際このドックを使っている人を見たことがないので、Plenue 2では互換性は無視して、ドックのアイデアは放棄されたようです。

ところで、Plenue 2のヘッドホンジャックは真鍮製と思われる金色のリングで囲われているので、遠目で見ると、ソニーのウォークマンシリーズみたいですね。

一見ブラックな背面ですが

よく見ると、細かい模様になっています

本体裏側は、写真では一見ブラックのマットフィニッシュっぽいのですが、光の角度を変えてみると、細かいデザインパターンが見えます。

ただの印刷ではなく、繊細なエッチングみたいな模様なので、非常に高級感があります。Plenueのロゴをパターンとしているのでしょうけれど、なんとなく風呂敷とかの矢羽根模様に似ている感じです。こっちのほうが、Plenue Sの「焼肉グリル」デザインよりは断然カッコいいと思いました。

レザーケース

装着すると、こんな感じです

レザーケースは相変わらず高級なものが付属しています。Plenue 2は本体上部の二連ホイール部分が意匠になっているので、そこの部分はレザーケースもアルミフレームの段差に沿ったようになっており、ホイールのLEDライトが隙間から見えるように工夫されています。

Astell & Kernみたいな欧州ブランド製ではないですが、手触りや品質は結構良いと思います。若干テカテカしすぎて「本皮っぽさ」が感じられないのが残念ですが、耐久性は良いと思います。

Plenue S(左)とPlenue 2(右)のレザーケース

たとえば、写真左側のオレンジ色のレザーケースは私のPlenue Sのなので、もう1年くらい毎日カバンに入れて酷使していますが、ボロボロになる気配もありません。どちらもカラフルな太いステッチがオッサン臭さを低減させていてカッコいいと思います。

インターフェース

私が考える、Cowon Plenueシリーズ(Plenue Dを除く)最大の魅力というと、独自開発で入念に作り込まれた、非常に使いやすい操作ソフトウェアが挙げられます。

音楽ファイル再生のみに特化したインターフェース

Plenue 2のインターフェースソフト自体はPlenue 1やPlenue Sのものとほぼ同じです。

設定画面やボタンの挙動なんかも共通しているので、Plenue Sに慣れている自分としてはスムーズに移行できました。ただしボタン配置などは若干個性的なので、AKやスマホなどからだと、ちょっと戸惑うかもしれません。

基本的にAndroidっぽいタッチスクリーン操作なのですが、アプリインストールなどは一切できず、電源を入れると音楽再生ソフトのみが起動する、実に潔い仕様です。

この点は、ライバルAstell & Kernのインターフェースとも似ているのですが、Plenueの場合は無線LANやBluetoothなども非搭載で、とにかく「内蔵メモリーやマイクロSDカードに入っている音楽ファイルを再生する」という機能だけしか備わっていません。そのおかげで、使いやすさや安定性はトップクラスに優れていると思います。

機能性を放棄した、単なる「手抜きソフト」なのか、というとそうでもなく、我々が普段使うであろう部分の快適さはしっかりと努力を怠っていない、ユーザー目線でのアプローチが実感できます。

たとえば、電源ON・OFFは10秒程度で完了しますので、使用後はスリープせずとも、ちょっとした機会でも電源を落とすのが苦にならず、その分バッテリーも有効に使えます。

また、256GB目一杯に楽曲を入れたSDカードを挿入しても、初回30秒くらいでスキャンが終了してライブラリが構築されます。この速さは驚異的です。

そして、目当てのアルバムまでスワイプでスクロールする際も、途中で遅くなったり読み込みでカクカクしたりせず、AからZまでスルスルとスクロールできます。

こういった根本的なユーザビリティーの部分をないがしろにしているDAPメーカーは意外と多いですので、他社もPlenueシリーズのサクサク感を参考にしてもらいたいです。

独自OSというと、AK以外では、最近だとソニーNW-WM1ZとかもAndroidを放棄して、独自OSに移行しましたね。実際使ってみたところ、アルバムリストを指でスクロールする時ソニーの場合はまだカクカクして、アルバムリスト表示が追いつかないなどイライラさせられることが多かったので、私にとっては、それが購入検討を断念する決定打になってしまいました。(最新の1.20ファームウェアでそこそこ良くなりましたが)。

右上の歯車ボタンを押すと現れる簡易メニュー

Plenueインターフェースのとくに優秀なポイントとして、画面右上の「歯車ボタン」を押すと、普段頻繁に使うであろう機能が一斉に登場します。

たとえばゲイン設定やレジューム、イコライザー、画面回転などといったものはここで切り替えられ、その他の細かい設定は、そこにある「スパナボタン」を押すことで設定画面に行けます。使い慣れると、かなり便利なデザインだと思います。

DAPのフィルターは選択肢が増えました

Plenue Sと異なるポイントとして気がついたのは、今回D/Aチップがバーブラウンから旭化成に変更されたことで、DACのフィルターオプションが旭化成の提供する6種類に変更されています。

これまでは「Fast・Slow」の二種類でしたが、Plenue 2では「Short delay sharp・Short delay slow・Sharp・Slow・Low dispersion short delay・Super slow」という選択肢があります。

それぞれのフィルタ特性については旭化成のデータシートに記載されていますが、とくにLow dispersion short delay「低分散ショートディレイ」は旭化成の新提案フィルタなので、楽曲ごとに相性とかを色々と試してみるのが良いと思います。

あと、Plenueシリーズが人気なポイントの一つとして、JetEffectというDSPイコライザー機能があるのですが、個人的にはほとんど使ったことが無いので、なんとも言えません。

単なるイコライザーのみでなく、リバーブや疑似サラウンド、低音補正といったエフェクトが色々入っているので、普段からDAPでイコライザーを多用している人であれば、かなり夢が広がる機能だと思います。

実際ネット掲示板などを読む限りでは「JetEffectがあるからPlenueを使っている」、というファンも多いみたいですし、所有しているイヤホン・ヘッドホンごとに専用カスタムプリセットを作成するのが趣味だ、という人もけっこういるようです。

マルチホイール

本体上部、ボリュームノブの左隣りには、新たに導入された「マルチホイール」が搭載されています。

試聴の際にちょっと使ってみただけなのですが、個人的には、この「マルチホイール」の明確な用途というか、有効な使いどころはイマイチ不明でした。

せっかくあるのに、使い道が見つからないマルチホイール

使用感はボリュームノブとほぼ同じで、カリカリとクリック感がある無限回転のエンコーダーです。使用中はノブ下のクリアパーツのLEDが赤く光ります。

このマルチホイールにどんな機能を割り当てるかは、設定画面でいくつかの候補から選べます。具体的には:
  1. DACフィルターモード切り替え
  2. JetEffectプリセット
  3. 曲送り、戻し
  4. 曲内早送り、巻き戻し
  5. 画面明るさ
  6. ボリュームノブ
の中から選べるようになっており、どれも実を言うと、あって嬉しいというほどでもありません。

「画面明るさ」と「ボリュームノブ」の二つに関しては、何も思いつかなくてとりあえず入れてみたような気がします。ためしにボリュームノブを選んでみたら、すぐとなりにあるボリュームノブと全く同じ動作でした。

イコライザーを多用する人でしたら、JetEffectのプリセットをカチカチと切り替えられるのは便利かもしれません。個人的にイコライザーは常時OFFにしておきたい派なので、偶発防止のためにもマルチホイールにアサインしておきたくないです。

唯一使えそうなのがDACフィルター変更ですが、まあ最初に遊びで試してみるくらいで、日常的にカチャカチャ変えるようなものでもないですね。

せっかくの物理ホイールなのですから、もうちょっとこれを主役に置いた、なにか新しい機能とか、画期的な活用法を開発に盛り込んでほしかったです。

たとえば、そもそもこんな機能は搭載していないので空想の世界ですが、個人的に欲しいなと思うのは、SPL Phonitorみたいな「可変ステレオクロスフィード」の度合いがホイールで調整できたりしたら、DAPとしては画期的だと思います。(そもそもJetEffectで高度なDSPを登載しているのですから、なぜAES Linkwitz的なクロスフィードが無いんでしょうかね・・宝の持ち腐れです)。

あと思い浮かぶアイデアとしては、選曲リスト内で頭文字A→B→C→Dみたいな高速ジャンプスクロール機能とか、そういった日常的なユーザービリティ面でのメリットがあれば良いのですが、今のところマルチホイールはただのデザイン要素に留まっているような印象を受けました。

バランス出力

実は、個人的にこのPlenue 2で一番ショックだったのは、「2.5mm」バランスヘッドホン出力端子を搭載していることでした。

というのも、私が持っているPlenue Sは3.5mmバランス出力端子だったのです。

ついにPlenueでさえも2.5mmバランスの魔の手に・・・

私自身はPlenue Sのために、所有しているケーブルの多くを3.5mmバランス端子で購入もしくは自作していたのですが、こうなると今後将来的にPlenueシリーズは全部2.5mmになりそうな気配がしますね。

最近では、Onkyo DP-X1をはじめとして、Fiio X7・X5-III、iBasso DX200など、ほとんどのDAPメーカーがAK 2.5mmを採用しはじめたので、この流れは共通性という意味ではむしろ歓迎すべきですが、なんだか私のPlenue Sだけ島流しに遭ったみたいで悲しいです。

USB DAC

これまでのPlenueシリーズDAPというと、パソコンと接続して「USB DAC」として使う機能はかなり限定的、というかショボかったのですが、このPlenue 2も残念ながら同様でした。

具体的には、USB Audio Class 2ではないらしく、パソコン上ではClass 1(つまり96kHz・24bit上限)に留まります。

Plenue 2をMacに接続してみたところ

私のPlenue Sも、フラッグシップDAPで、豪華な大型ドッキングベースを販売していて、メインオーディオシステム用据置きDACとしても有用だよなんてメーカー広報が豪語していたにも関わらず、USB Audio Class 1止まりだったことに目を疑いました。

もう世界は2017年、WindowsもClass 2を標準対応しましたし、いくらPlenueでも、いいかげん進歩しただろうな、という淡い期待を秘めて、いざPlenue 2をMacに接続してみたところ、Class 1で認識されました。

もちろんUSB Audio Class 1 DACとしては問題なく使えましたので、CD音源とかを気軽に楽しむには何の支障もありませんが、ASIOとかのAsynchronous(非同期)モードやDSD128・DoPなどが使えないのは残念です。

ヘッドホン出力

今回の試聴では、せっかくCowon Plenue 1・2・Sの三モデルが同時に揃ったので、それぞれのヘッドホン出力を同条件で測ってみました。

Plenue 1、Plenue 2、Plenue S

いつもどおり、0dBFSの1kHzサイン波信号をFLACファイルで再生しながら、擬似的なヘッドホンインピーダンス負荷を与えて、DAPのボリュームを最大(もしくはクリッピングする)まで上げた状態で得られた電圧(Vpp)です。

ヘッドホン出力電圧

結果はご覧の通り、非常にわかりやすく順当な数字になったのが面白いです。

ここまで順当だと、設計の明確な意図が感じられますね。

約100Ω以上の高インピーダンスヘッドホンを接続した場合では、Plenue 2はPlenue 1とほぼ同じ出力電圧が得られます。一方100Ω以下の低インピーダンスヘッドホンになると、Plenue 2の方が出力に余裕があり、より大音量まで歪まずに(クリッピングせずに)駆動できます。どちらにせよ、Plenue Sほどの高出力は得られませんでした。

こうやって見比べてみると、Plenue 2とPlenue Sの間には大きな隔たりがあり、あくまでPlenue 2はPlenue 1の後継機という程度に留めています。

低インピーダンス側はPlenue SとPlenue 1のちょうどピッタリ中間くらいを狙っているので、そこだけはマルチBA型IEMなどで使うには重要な進化だと思います。

AK320と

参考までに、価格的にライバルであろうAK320とくらべてみると、こんな感じです。どちらもパワーはそこまで変わらないものの、高インピーダンスヘッドホンと低インピーダンスIEMなどそれぞれ得意としているポイントが異なります。10Ωくらいの負荷では、約2倍くらいの差がついているのが面白いです。

もちろんこれは歪みはじめるまでの「最大音量」についてなので、「音質」に関しては別問題です。

Plenue 2のみ

Plenue 2のみ単独で見るとこんな感じです。

破線はクリッピング歪み無視の最大電圧振幅で、実線はおよそ1%THD以下になるまでボリュームを落とした時の電圧です。

設定画面にてゲインが二段階に調整できるのですが(Plenue的に言うと、ヘッドホンモードON・OFF)、低ゲインモード(グラフ緑線)では1.8Vp-p(0.6Vrms)程度にリミッターがかかる仕様です。簡易的なライン出力として使うにもちょうど良いレベルです。

ボリュームノブを1Vp-pになるように合わせた(111/140)状態(グラフ青線)を見ると、綺麗な一直線を描いているので、低インピーダンスのマルチBAイヤホンなどでもしっかり駆動できると思います。

クリッピングしはじめるボリューム位置

ボリュームは画面表示上「140」が最大なのですが、高・低ゲインモードでそれぞれどこまで上げるとクリッピングするのか確認してみました。

どちらにせよ100Ω以上の負荷であれば最大まで上げてもクリッピング歪みは発生しないので、気兼ねなくボリュームレベルの全域を有効に活用できそうです。意外と他社のDAPでは無負荷でも歪んだりするやつがたまにあるので、そのへんはCowonらしくしっかりと設計されていて安心できます。

音質とか

今回の試聴には、Plenue 1とPlenue S も揃えたので、それぞれをCampfire Audio Andromedaイヤホンと、ベイヤーダイナミックDT1770 PROヘッドホンで聴き比べてみました。

バランス接続にはAndromedaイヤホンのCampfire Litz MMCXケーブルでそれぞれ試してみました。


フランスのプライベートレーベルVision Fugitiveから、プロデューサー兼クラリネットJean-Marc FoltzとピアノStephan Olivaのデュオによる、ガーシュウィン・トリビュート・アルバム「Gershwin」を48kHz・24bitで聴いてみました。

ジャズファンであれば聴き慣れた名曲の数々を、しっとりと親密に演奏しています。この手のアルバムでありがちな、過度な自己満足アレンジやペラペラとした吹き過ぎ演奏ではなく、クラリネットがメロディラインをじっくり時間をかけて吹いているバックで、ピアノが感情の厚みをつけているようなコンビです。トラックごとにあの手この手で曲風を変化させていきながら、ラスト曲のI loves you Porgyではとてもストレートにメロディを復唱していて、なんだかジーンと心に響きました。

録音品質もすばらしく艷やかで開放的です。ECM臭くムーディーになりがちな作風でも、過度なエコーを避けることで新鮮さを保っています。

Plenue 2でこのアルバムを聴いてみたところ、まず第一印象として、「Plenueらしさ」は失われていない、という確信が持てたので、それだけでも大変嬉しかったです。

バーブラウンを捨てて旭化成D/Aチップに移行したことで、他多数のDAPと同じような平均的で無難なサウンドに成り下がっていたらどうしよう、と心配していたのですが、たとえチップが変わっていても、サウンドはちゃんとPlenueらしさを実現できていて一安心しました。

Plenueらしさというのは、私の勝手な感想なのですが、他社のハイレゾDAPと比べると、当たりが優しく、シャリシャリせずにゆったりと暖かみのある素朴なサウンドです。いかにもハイレゾですといったギラギラしたサウンドとは正反対の、何も言われなければ何とも思わない、でもじっくり聴き込めば奥が深い、そんな風に思っています。

パワーは十分にあるのですが、全体的にマイルドな傾向なので、人によっては退屈でモコモコしていると感じるかもしれません。ただし、音色の響きそのものにDAP由来の耳障りなクセが無いので、長時間聴いていてもこれといって不満が出ない上品なサウンドだと思います。長時間運転でも疲れず、高性能を快適さに反映できている、高級セダンのようなサウンド、という例えが思い浮かびました。

旧モデルのPlenue 1と比較してみると、Plenue 2は全ての要素において確実に進化していると思いました。音色の表情は似ているのですが、Plenue 2の方が録音から引き出された情報が格段に増えていて、そんな膨大な情報量がリスナーの周囲をふわっと包むような、色々な音が同時に鳴っているような感覚です。

つまり、音を余さずに表現できる、レファレンス的な方向に進化しているようでした。そんなPlenue 2と比べると、Plenue 1はどうしてもあと一息なにか不足している、情報の一部が欠落しているような、ワンランク下のサウンドのように思えてしまいます。

決定的な違いを感じたのはピアノの残響音で、Plenue 1では主にピアノそのものの音がメインであって、それ「だけ」を聴いているように感じるのですが、Plenue 2ではピアノというよりも、むしろピアノが置かれている空間全体に聴覚を張り巡らせているかのようです。

バランス接続も試してみたのですが、若干サウンドの傾向が異なるのみで、バランスの方が圧倒的に優れているというわけでも無かったです。バランスの方が音色の粒立ちが良くなる一方、全体的にはコンパクトで「小綺麗」になるような感じがしました。

Plenue Sでもそうだったのですが、たとえばケーブル交換が容易なIEMイヤホンであっても、相性によってバランス、アンバランスのどちらのケーブルを使うか、それぞれ選んでいました。(たとえばCampfire Andromedaは普段Plenue Sのアンバランスで使っています)。イヤホンによってはバランス化で化けるものも少なくないので、選択肢があるというだけでもメリットです。

この価格帯のライバルというと、Astell & KernのAK320が挙げられると思いますが、それと比べてみても、それぞれAKらしさ、Plenueらしさという個性がよく現れていると思いました。

どちらも最新鋭の高級DAPだけあって、情報量の多さに関しては同レベルなのですが、AK320のほうが刺激的にメリハリをつけて、音が飛び込んで来るような感じで、一方Plenue 2はそこまで音が前に来てくれず、自分から聴きに行くような緩さがあります。どちらが良いかは人それぞれだと思いますが、どちらかが好きなら、もう片方は嫌いだろうな、と思えるくらい、対照的なサウンド傾向です。


チェコのSupraphonレーベルから4月の新譜で、ズザナ・ルージチコヴァーによるバッハの鍵盤協奏曲集を聴いてみました。ピアノではなくチェンバロでの演奏です。

このアルバムは1968年チェコ動乱の真っ只中で演奏された歴史的録音だ、なんて解説に書いてあったのですが、それがにわか信じられないくらい、音質が良いです。最先端のハイレゾ録音とも互角に張り合えるくらい、音色の厚みや美しさがものすごく丁寧に撮れていて驚きました。

Supraphonといえば、アンチェル名演リマスターシリーズ(Ancerl Gold)も古さを感じさせない素晴らしいアルバムばかりだったので、そもそも当時から録音技術が優れていたのと、リマスター作業において優秀なスタッフがいるのでしょう。

古楽主義に詳しい人だと、このアルバムのような大時代的ロマン派ビッグスケール演奏は耳を覆いたくなるしれませんが、ノイマン指揮のチェコフィル抜粋室内オケ、ロケーションはルドルフィヌムということで、内容は悪いはずが無く、分厚い音の色彩に圧倒されます。とくにチェンバロというのはギターのように弦の過渡特性が豊かで、一見シンプルでありながら、録音次第で失われがちな複雑な表情を秘めているため、「良い演奏の、良い録音を、良いシステムで」聴くと本当に素晴らしい体験ができます。

CD相当の44.1kHz 16bit音源なのですが、Plenue 2は十分なスケール感と繊細さを持って再現してくれました。シビアな鳴り方ではないので、ハイレゾかCD音源かといった細かいところはあまり気にしなくてもよい、というのはPlenueシリーズ全体に通じる強みだと思います。

とくに伴奏のオーケストラは、低インピーダンスなイヤホンであっても十分な距離感を持って立体的にスケール感豊かに鳴ってくれるので、そのへんはさすが高価なDAPだけあって優秀だと思いました。下手なDAPだと、たとえ音色は同じように聴こえても、とくにマルチBAなどは上手にコントロールできず、各音像の遠近感がおかしくなってしまうものが案外多いです。Plenue 2ではそういった弱点はありませんでした。

せっかくなので、Plenue SとPlenue 2を比較してみたところ、これは評価が結構難しいです。個人的な感想としては、楽器の音色そのものの魅力はPlenue Sのほうが格段に優れていると思いました。

なんというか、鳴っている音は同じはずなのに、Plenue Sのほうが、純粋に音色の美しさに没頭して、ただただウットリと聴き惚れてしまう感覚があります。

そもそも私はこのサウンドが大好きだからこそPlenue Sを買ったわけですが、なんとなく他人には薦めにくいとも常々思っています。趣味性が強いというか、レファレンス路線からは逸脱した、美音の仕上がりなので、強いて言えば真空管アンプとか、ビンテージオーディオとか、そういったマニア趣向な世界だと思います。

たとえばチェンバロ演奏を聴いている時も、Plenue Sでは、楽器そのものに芳醇と言わんばかりの豊かな色彩があり、チェンバロの音を楽しみ、オケのヴァイオリンの音を楽しみ、「いい音だな~」と延々と聴き続けてしまいます。

ただし、Plenue 2の方がオーケストラの立体感や、チェンバロの響きが遠く奥へ抜けていく感じなど、しっかり統制のとれた表現の充実さは優れているので、その部分は感心しました。

元をたどれば、Plenue SとPlenue 2はどちらもPlenue 1から発生したモデルなのですが、Plenue SというのはPlenue 1の心臓部であるバーブラウンDACのオーディオ回路構成を極限まで突き詰めて、極上の質感と美しさを実現できたモデルであって、一方Plenue 2はPlenue 1のコンセプトや方向性を尊重しながら、コアとなるD/A回路を次世代スペックに作り変えたモデルです。

そうやって言ってみれば当たり前のことなのですが、サウンドを聴き比べてみると、その違いがより一層明確に感じ取れました。

ところで、Plenue 2ではデジタルフィルターが6種類から選べるようになったのですが、色々と切り替えて聴き比べてみたところ、とくに44.1kHz CD音源においては結構な違いが感じられました。それぞれを順番にカチカチ切り替えてみてもあまり違いは分からないのですが、5分、10分単位の長いリスニングで、両極端の(たとえばSharpとSuper Slow)を比較してみると、Sharpのほうが歯切れよくクリア感があり、Slow系は音色がスムーズで流動的に感じます。どっちが良いというものでもないので、好みに応じて選べるようになっています。

今回の試聴ではせっかくなので旭化成独自のLow Dispersion Short Delayを使いました。これといって悪いクセの無い、中間的なサウンドです。ちなみに96kHzなどのハイレゾ音源では、フィルター切り替えによる効果は私の耳ではあまり聴き分けられませんでした。



Pentatoneレーベルから、山田和樹指揮スイス・ロマンドの舞踏音楽シリーズ最新作をDSDで聴いてみました。これまでのロシア、ドイツ、フランスに続いて、今回はスペイン、ファリャ作品のアルバムです。

ファリャの代表作「スペインの庭の夜」「三角帽子」のカップリングですが、これらの演目でよくありがちな「オーディオファイル御用達スーパー・サウンド体験ディスク」みたいなドンガラガッシャンといったやかましい演奏ではなく、じっくりと練り込まれた流れるような演奏が魅力的です。

Pentatoneらしい低音が豊かなサウンドも貢献していると思いますが、全体的にダークな表情の中に光る音色を積み重ねている感じで、いわゆる明るい太陽のスペインではなく、むしろ夜に秘められた炎みたいです。ファリャでスイス・ロマンドというと、過去のイメージから軽めにとらえられがちですが、この演奏では軽さとは対極的な奥深いパワーを感じました。

盤末のボーナスに「儚き人生」と「恋は魔術師」の管弦曲が収録されています。普段こういったアルバム終わりの短曲は、なんだか大曲を聴き終えた後のムードを奪う気がして嫌いなのですが(大抵はアルバムの穴埋めが多いのですが)、今回の場合は、アルバム全体を通して徐々に熱量が上がっていき、締めの「アンコール」的な役割だったので、大いに楽しめました。

このアルバムはDSDなので、せっかくPlenue 2ではネイティブDSD再生に対応したということで(Plenue 1はPCM変換、Plenue Sはネイティブ)、どの程度のサウンドなのか聴いてみたところ、いきなり驚かされました。

なぜかPlenue 2はDSDファイルを再生すると、これまでのPCM再生時のふわっとした空間重視のマイルド感から一変して、非常に艷やかで新鮮な、飛び跳ねるようなサウンドになり、その変貌にびっくりしました。

単純に、このDSDアルバムがそういう音だから、というわけではなく、他のDAPと聴き比べてみたり、他のDSDアルバムも数枚聴いてみたところ、結論として、Plenue 2のPCMとDSD再生は別物です。これまでPCMでのサウンド傾向が崩されるため、好き嫌いは分かれると思いますが、一聴の価値はあります。個人的には、これはこれまでのDSD対応DAPの中でもかなり優れたサウンドだと思いました。

Plenue 1の時は、DSD→PCM変換による一種の「うねり」が生じていて、比較対象として論外だったのですが、実を言うと、DSD再生に限って言えば、Plenue Sでもそこまで優れているとは思いませんでした。

Plenue Sの場合、確かにPlenue 1よりは格段に素直で綺麗なDSD再生だったのですが、なんとなくフワッとしすぎていて、音に芯のない雰囲気重視のサウンドでした。そのため、据え置き型DACで得られるDSD再生の醍醐味を、ポータブルDAPではまだ十分に引き出せていないな、なんて思っていたわけです。

Plenue 2では、そこから一歩先に進んだような印象を受けたので、それだけでも、次世代DAPだという強烈な体験ができました。DSD再生に関してのみでは、Plenue SよりもPlenue 2の方が好みです。

Native DSDではなく、Native TX DSDと書いてあります

公式サイトなどを読むと、今回Plenue 2のDSD再生は、単純に「Native DSD」というのではなく、「Native TX DSD」というフレーズをプッシュしています。

解説を読むかぎりでは、「DSDデータをPCMに変換せずにDACにそのまま転送することで・・・」なんて感じに書いてあるので、それじゃあPlenue SのNative DSDと同じじゃないか、と思うのですが、実際はD/A回路が一新されたので、なにか込み入った事情があるのかもしれません。TXの意味も不明です。デジタル信号の通例で送信はTX、受信はRXなので、それのことですかね。


Plenue 2とは無関係ですが、DSDといえば、ちょっと面白い話題がありました。Channel Classicsレーベルの稼ぎ頭、イヴァン・フィッシャーとブダペスト祝祭管弦楽団が、近々マーラー交響曲集の最新巻として3番をリリースするのですが、そのプロモーションの一環として、NativeDSDショップサイトにて、第一楽章の冒頭部分を、未編集で録音風景そのまま、無料サンプルで提供しています。

マルチマイクからそのままサラウンドとステレオ化した、まったく未編集の「生録ダウンミックス」なので、現場の鮮度に一番近い体験が得られます。しかもDSD256マスターと、それをダウンコンバートしたDSD128・DSD64ファイルを同時に提供しているので、それぞれを聴き比べることも出来ます。比較してみると、案外違うものだなと驚かされました。

残念ながらPlenue 2ではDSD256ファイルは再生出来ませんが、DSD64とDSD128ファイルを聴いてみただけでも、Plenue 2のDSD再生能力の高さを実感できました。

まとめ

Cowon Plenue 2は、これまで長年頑張ってきた第一世代Plenueシリーズから、ようやく世代交代するという意味でも、「第二世代」として飛躍的な進化を遂げたDAPだと思いました。

しかも、進化したポイントが、他社のようにありとあらゆる機能をぎゅうぎゅう詰めにするのではなく、純粋に音質面での進化に留めているのも、Cowonらしいです。

Plenue 2デビュー時にスペックなどが公表された際に、Bluetoothもアプリも無いなんて、何を考えてるんだ、なんて苦言している人をネット掲示板などでちらほら見ましたが、Plenueはあくまでも「音楽ファイル再生用DAP」という目的意識を貫いているのが潔いです。また、結局DAPはそういった用途でしか使わない、という私みたいな人にとっては、かなり有意義で魅力的な商品です。

今回、実は私自身も、Plenue SからPlenue 2に買い換えるかどうか、結構真剣に悩んだのですが、最終的には、Plenue Sの方がヘッドホンアンプが全面的に高出力だったため、普段様々なイヤホン・ヘッドホンの試聴に使っている用途では、そのパワフルさは必要不可欠だと思ったことで、Plenue Sに留まる理由となりました。

細かい点では、Plenue 2はDSD256が再生できない、なんてこともありますが、そこまで音源を持っていないので、気になりませんでした。

サウンド面では、さすが次世代にふさわしく、Plenue 1からは格段のグレードアップを遂げたと思いますが、一方でPlenue Sの音色の魅力も捨てがたく難しいです。今現在、新規で購入するのでしたら、Plenue 1は論外ですが、Plenue 2とPlenue Sの間では相当悩むと思います。

私自身は、ポータブルDAPを使う状況というと、レファレンス的に「全部解像する」といった方向性はあまり求めておらず、むしろ移動中の片手間に、美しい音色を楽しく聴きたい、というカジュアル感覚なので、その点ではPlenue Sの方が趣味に合っています。音色を聴いているだけで時間を忘れてアルバム一枚まるごと堪能できる、というくらいPlenue Sに惚れ込んでいて、未だ飽きていません。

Plenueシリーズ全般についての個人的なコメントとしては、さっきから多機能DAPは不要だ、なんて言っていながら、やっぱりもうちょっと、たとえばUSB DAC機能やUSBトランスポート機能といった部分を強化してもらえると嬉しいかも、なんて思っています。

普段、大掛かりな試聴セッションとかに音源を持ち寄る際には、機能・音質・バッテリーの兼ね合いで結局AKやFiio DAPなどとの二台持ちになってしまうことが多く、そう考えると、Cowonに限らず、一台で全て満足できる完璧なDAPというのには巡り会えていないようです。(相当マニアックなケースですが)。

純粋に音楽を楽しむDAPとしては、最近旭化成AK4490・AK4497の台頭で、どのDAPも(スペック的には)横並び感があるように感じていたのですが、実際に音を聴いてみるとそれぞれ各モデルごとに個性豊かで、Plenue 2はやっぱりPlenueだ、と思えるサウンドだったので、やはりオーディオというのは、D/Aチップの銘柄や、紙面上のスペックだけでは計り知れないな、という事を再確認できました。