2016年12月24日土曜日

2016年、よく聴いたジャズ・クラシックの高音質アルバムとか

2016年も終わりに近づいていますし、年末年始は実家に帰省していてヒマなので、今年買ったCDとかハイレゾダウンロードで、とりわけ高音質だったものを紹介します。

2016年も、大量のアルバムを購入した一年でした

去年くらいまでは「どうせハイレゾブームは一過性のものだろう」、なんて消極的に構えていたのですが、2016年を思い返してみると、ショップのカタログラインナップも膨大に増え、期待以上に飛躍的な成長を遂げた一年でした。

個人的な趣味で、ジャズとクラシックに偏った選曲になりますが、今回紹介するのはどれも演奏は高水準、そして音質は最高クラスを保証しますので、ぜひこの機会に興味を持っていただけると幸いです。

ジャズやクラシックというと「敷居が高い」と思われがちですが、理論や入門ガイドブックから入るのではなく、もっと適当に色々と「買って聴いてみる」のが一番良いです。どれほどコアなマニアであっても、その第一歩は、ふと手にとってみた一枚のアルバムに心を動かされて、そこから磁石のようにグイグイと引き込まれてしまったようなものです。そういった意味では、高音質ハイレゾ録音というのは、音色やメロディの感動をよりリアルに体験できる、理想的なきっかけになるかもしれません。

2016年12月17日土曜日

Beyerdynamic Amiron Home ヘッドホンの試聴レビュー

ベイヤーダイナミックの新作ヘッドホン「AMIRON HOME」を試聴してきました。

NEWテスラテクノロジードライバを搭載した、家庭用リスニング向けの開放型ヘッドホンだそうです。

ベイヤーダイナミックAMIRON HOME

ネタ的にあまり珍しさが無い、ベイヤーダイナミックらしい王道ヘッドホンなので、たいして書く内容も思い当たらないのですが、せっかく試聴してきたので、ごく簡単に紹介しておこうと思いました。音はとても良かったです。

2016年12月5日月曜日

JVC SU-AX01 ポータブルDAC・ヘッドホンアンプのレビュー

JVCケンウッドのポータブルDAC・ヘッドホンアンプ「SU-AX01」を購入したので、感想とかを書いておきます。

JVC SU-AX01

ハイレゾPCM・DSD対応DACと、バランス出力対応のディスクリートアンプ回路を組み合わせたポータブルDACアンプです。

2016年11月の発売価格は11万円程度と、他社の似たようなモデルと比べて結構高額ですが、近頃続々と現る高性能ヘッドホンやハイレゾ音源なんかに完璧に対応できる「高音質で全部入り」なアンプを探している人にとって、面白い候補になるかもしれません。

2016年11月29日火曜日

B&W P7 WirelessとP9 Signatureヘッドホンの試聴レビュー

B&Wのヘッドホン「P7 Wireless」と「P9 Signature」を試聴してみましたので、感想とかを簡単にまとめておきます。

なぜ二つまとめて紹介するのかというと、どっちもそこまで書くことが思い当たらなかったからです。

B&W P7 Wireless & P7
B&W P9 Signature

P7 Wirelessというのは、これまでのB&Wトップモデル「P7」がBluetoothワイヤレス化したものですが、P9 Signatureの方はそのP7をさらに上回るハイエンドモデルとして登場しました。これを書いている時点での市場価格は、P7が約4万円台、P7 Wirelessは5万円台、そしてP9 Signatureは11万円くらいです。

私自身B&Wのヘッドホンは結構好きで、すでにB&W P3、P5 Series 2、P7を持っているため、このまま順当にP9 Signatureに乗り換えるべきなのか気になって試聴してきました。

2016年11月27日日曜日

Astell & Kern JH Audio Michelle イヤホンの試聴レビュー

Astell & KernとJH Audioのコラボレーション・イヤホン最新作「Michelle」を試聴してきたので、感想とかを書いておきます。

Astell & Kern JH Audio Michelle

「Layla」や「Roxanne」などの傑作イヤホンを続々展開してきた「JH Audio The Siren Series」のニューモデルで、今回の「Michelle」は外観デザインなどをかなり簡素化した、最低価格のエントリーモデルということです。販売価格は6万円弱だそうなので、つい手を出してしまいそうで気になる存在です。

2016年11月13日日曜日

Shanling M1 DAPのレビュー

中国のオーディオブランドShanlingから、低価格DAP「M1」を購入しました。

iPod Shuffleくらいコンパクトなサイズに、ハイレゾ再生と高性能ヘッドホンアンプを搭載した意欲作ということで、価格が15,000円くらいと非常に安かったため、興味本位で買ってみました。さらにBluetoothやUSBトランスポート機能も使えるらしいです。

Shanling M1

2016年11月現在では、オンライン限定の先行販売品だそうなので、このレビューに書いてあることは、今後発売されるかもしれない正式版ではあまりアテにならないかもしれません。

2016年11月6日日曜日

Westone W80 の試聴レビュー

Westoneのバランスド・アーマチュア(BA)型イヤホン「W80」を試聴してきましたので、感想なんかを書いておきます。

Westone W80

BA型ドライバを8基搭載した、Westone史上最上級モデルで、2016年10月発売時の販売価格はおよそ20万円という高価なイヤホンです。これまでのトップモデルW60が9万円くらいなので、飛躍的なジャンプです。

見た目のデザインはWestoneらしく、なんてことないIEMイヤホンなので、音質に関してはどれくらい進化したのか気になって試聴してみました。

2016年10月28日金曜日

Focal Utopia ヘッドホンの試聴レビュー

Focalのヘッドホン「Utopia」を試聴してきましたので、感想なんかを書き留めておきます。

FOCAL Utopia

販売価格が50万円以上もするような最高級ヘッドホンなので、私自身は残念ながら手が出せませんが、それでも話題性という意味では2016年で一番注目度が高いヘッドホンかもしれません。

フランスのFocal社は、ハイエンド・スピーカーのメーカーとして、英国のB&Wと双璧をなすような大手企業ですが、ヘッドホンに関してはまだまだ新参者です。そんな境遇にもかかわらず、ここまでの話題性を得ることが出来たのは、Focal Utopiaというブランドイメージの高さと、尋常ではない価格設定のためでしょう。

残念ながら、同時発売の下位モデル「Elear」はショップの入荷ロットが全部完売してしまい、試聴機が手元に残りませんでした。実はElearのほうが価格的に現実味のある商品なので、いつかちゃんと試聴してみたいですが、今回はUtopiaのみの試聴でした。

2016年10月22日土曜日

かわいそうなカルダス

いつも高級ヘッドホンの話ばかりではつまらないので、くだらない庶民的なネタも紹介します。

ベイヤーダイナミックT5p 2nd Generation用に作りました

米国Cardas Audio製のイヤホンを再利用して、ヘッドホン用の交換ケーブルを作ってみました。

結果かなり良いサウンドが得られたので、こういう使い道も面白いかもと改めて感心しました。


2016年10月21日金曜日

MrSpeakers ETHER Flow + ETHER C Flow の試聴レビュー

米国のヘッドホンメーカーMrSpeakersから、開放型「ETHER Flow」と密閉型「ETHER C Flow」の二機種を試聴してみました。

MrSpeakers ETHER Flow

標準価格が20万円以上もするような超高級ヘッドホンなので、前回のGrado GS2000eに続いて、奇しくも「欲しいけど高くて買えない」シリーズ第二弾になってしまいました。

ETHER Flowは、2015年に発売されたヘッドホン「ETHER」「ETHER C」の発生モデルです。既存のETHER→ETHER 1.1に続く後継機というよりは、新パーツを搭載したパワーアップ版といったところです。そのため、米国の公式サイトでは現行オーナーへのアップグレードサービスも行うらしいです。

私では手が出せない価格なのですが、今回はせっかく新旧モデルが揃ったので、この機会にちゃんと聴き比べておこうと思いました。

2016年10月8日土曜日

Grado GS2000e の試聴レビュー

Gradoの2016年最新ヘッドホン「GS2000e」を試聴してきました。伝統的な開放型デザインに上位モデルの証である大型イヤーパッドとウッドハウジングを採用しています。

Grado GS2000e

発売価格が16万円(XLRバランス端子バージョンは19万円)ということで、現行モデルGS1000eとPS1000eの中間に位置付けられます。いかんせん高価なので、さすがに買いませんでしたが、かなり良い感じのサウンドだったので、忘れないうちに簡単に感想を書いておこうと思いました。

今回は、GS1000eとPS1000e、そして私物のPS500とGH-1を持ち寄って比較してみました。現行のグラド上位ヘッドホンが全員集合するという珍しい期会です。

そもそもGradoという民芸品工房が、一体どこからこんな高価なヘッドホンを作れる自信が生まれるのか、そもそもどうやって16万円という値段を決めているのか、つくづく不思議に思います。

2016年10月2日日曜日

Beyerdynamic DT1990 PRO のレビュー

ベイヤーダイナミックの開放型スタジオモニターヘッドホン「DT1990 PRO」を購入しましたので、今回はそれを紹介します。

Beyerdynamic DT1990 PRO

グリルのデザインがカッコよくて気に入ったのと、2012年の「T90」以来ひさびさのベイヤーダイナミック開放型ということで、興味がわきました。

80年代からのロングセラー「DT990 PRO」の実質的後継機でもありますし、さらには昨年(2015年)のちょうど同時期に発売された密閉型「DT1770 PRO」が大変良かったので、今回はそれの開放型バージョンということもあり、期待の高いモデルです。

2016年10月1日土曜日

Chord Mojoのアクセサリーパック

なんか本国からChord Mojo用の公式「ケーブル・アクセサリー・パック」なるものが送られてきました。

Chord謹製Mojo Cable Accessory Pack

50ポンド(7000円くらい)で販売されています。

たいした内容じゃ無いですが、せっかくなので、暇つぶしにちょっと紹介しておきます。

OPPO HA-2 と HA-2SE の違いとか

OPPOから、ポータブルDACヘッドホンアンプ「HA-2SE」が発売されました。
2015年に登場して大好評を博している「HA-2」のマイナーチェンジ版だそうです。

ロゴが違うだけしか見分けがつかないHA-2SE

初代HA-2がD/AチップにESS 9018K2Mを搭載していたところ、今回HA-2SEでは後継チップの9028Q2Mに世代交代したことが、大きな目玉です。また、アンプ回路についても若干変更があったようです。

私自身、初代HA-2は発売当時からかなり絶賛していて、相当使い倒した思い出があるので、この新型が実際どんなものか比較してみました。

2016年9月13日火曜日

Unique Melody Mavisのレビュー

Unique MelodyのMavisというイヤホンを購入しましたので、ちょっと紹介しようと思います。

ユニバーサルタイプのIEMで、ダイナミック型ドライバを2基と、バランスド・アーマチュア(BA)型ドライバを2基の、合計4ドライバを搭載したハイブリッド型イヤホンです。

Unique Melody Mavis

近頃、様々なメーカーから高級・高音質イヤホンが続々登場していますが、それらを散々試聴した中で、このMavisというモデルのサウンドに独特の魅力を感じたため、つい心惹かれて買ってしまいました。

2015年9月発売なので、これを書いている時点では比較的新しいモデルなのですが、日進月歩のイヤホン業界においては、もうすでに話題性が薄れてきているようにも思います。個人的には同社のMaverickと同じくらい(もしくはそれ以上)人気が出ても良いイヤホンだと思うので、このまま風化させないためにも、買ったからには是非紹介したいと思いました。

ミステリアスな外観に勝るとも劣らない独創的な音色で、ダイナミック型ともBA型とも異なる、ハイブリッドだからこそ成し得た面白いイヤホンです

2016年9月5日月曜日

Fostex TH610 ヘッドホンのレビュー

フォステクスのヘッドホン「TH610」を購入しましたので、印象なんかを書き留めておきます。

Fostex TH610

2016年6月発売で、価格は75,000円という、そこそこ高価なヘッドホンです。大型の「黒胡桃無垢削り出し材」木製ハウジングを採用した密閉型デザインで、家庭での真面目なリスニング用途を目的とした製品です。メーカーとしても「プレミアム・リファレンス・ヘッドホン」と命名しています。

2013年に登場した「TH600」の後継機として、そして上位機種で18万円の「TH900」に迫る兄弟機ということで、注目される商品です。

2016年8月26日金曜日

JVC VICTOR HA-MX100-Z ヘッドホンのレビュー

JVCのヘッドホンHA-MX100-Zを購入しましたので、紹介します。

カジュアル系オーディオ商品が多い「JVC」のラインナップの中では珍しい、業務用スタジオモニターヘッドホンという位置づけです。このヘッドホンは傘下の「ビクタースタジオ」を全面的にフィーチャーしており、そこで行われている録音業務にも耐えうる高音質と高信頼性というポイントが大きな魅力となっています。

JVC HA-MX100-Z

2016年3月に発売されてから、中々手に入りにくい商品だったのですが、8月以降では大手ヘッドホン店でも見かける様になりました。2011年登場の旧モデル「HA-MX10-B」の後継機という位置づけです。価格は25,000円程度と、かなり手頃なので、気軽に高音質を楽しみたいカジュアルユーザー目線でも楽しめるヘッドホンかどうか気になって買ってみました。

2016年8月14日日曜日

Cayin i5 DAPの試聴レビュー

中国のオーディオメーカーCayinのDAP「i5」を試聴してみましたので、感想を書き留めておきます。借り物をちょっと使ってみた程度なので、簡単な印象のみですが、なにか参考になる部分があれば幸いです。

Cayin i5

2016年7月頃に発表された新作ポータブルオーディオプレイヤーで、Androidを搭載したタッチスクリーン式でありながら、価格が非常に安いという魅力的な商品です。これを書いている時点では中国を中心に販売が始まっていますが、現地での値段はUS$470程度なので、5万円くらいでしょうか。

初期の不具合とか量産体制の準備とか色々ありがちなので、日本での公式リリースはちょっと遅れるみたいです。最近流行りの旭化成AKM4490を搭載した高音質DAPなので、注目度は高いと思います。

(注:日本での発売は2016年9月30日だそうです。この試聴レビューは海外向けの先行販売モデルなので、日本モデルとは異なる部分があるかもしれませんので、あまりアテにしてないでください)。

2016年8月11日木曜日

Final Audio Design F7200 F4100 F3100 Etymotic Research ER4SR ER4XRの試聴レビュー

Final Audio DesignのF7200、F4100、F3100、Etymotic ResearchのER4SR・ER4XRを一気にまとめて試聴してきました。どれも2016年7月に発売されたニューモデルです。

Final Audio F7200, F4100, F3100

Etymotic Research ER4SR, ER4XR

バランスド・アーマチュア(BA)型ドライバをシングルで搭載した新型イヤホンで、価格帯もそこそこ近いため、いざ購入するとなると、どれを選ぶべきか悩ましいです。結論から言うと、どちらも良かったです。

Final Audioは価格で分けた3モデルで、2万円のF3100、3万円のF4100、そして5万円のF7200といったラインナップです。Etymotic Researchのほうは、超ロングセラーER4シリーズのリニューアル品としてデザインを継承しながら、レファレンスチューンのER4SRと、リスニング向けに低域を豊かにしたER4XRという二つの兄弟モデルを発売しました。どちらも5万円程度です。

双方ともIEMイヤホンにおいては長い経験と実績を持っているメーカーなので、今回のニューモデル登場はずいぶん話題になりました。とりあえずどんなものかと興味本位で試聴してみたのですが、想像以上に進化したサウンドに驚かされました。

2016年8月3日水曜日

Campfire Audio Andromeda のレビュー

Campfire AudioのAndromedaというイヤホンを購入しましたので、紹介しようと思います。

アメリカ、オレゴン州ポートランドでせっせと手作りで造られている、ニッチなイヤホンです。同じ会社が「ALO Audio」という名前でポータブルアンプやオーディオケーブルを製造し好評を得ていますが、そのALO Audioのイヤホンブランドが「Campfire Audio」です。

Campfire Audio Andromeda

AndromedaはCampfire Audioラインナップの最上位モデルとして2016年6月に発売されました。BA型ドライバを5基搭載しているユニバーサルIEMイヤホンで、派手なグリーンのアルミボディが印象的です。販売価格も15万円程度と、かなり高価な部類ですが、これまでのCampfire Audioイヤホンがどれも好評であったため、発売前から期待度が高いモデルでした。これまでのトップモデルはBA4基で13万円のJupiterでした。


2016年7月23日土曜日

Noble Audio Katanaと、2016年ラインナップの試聴レビュー

2016年になって、米国のNoble Audioがユニバーサル型IEMイヤホン全モデルのバージョンアップを行いました。

Noble Audio Kaiser 10U

これまで色々な時期に発売された各モデルやバリエーションが、これを機会に一気に整理されて、新設計の高性能ハウジングによる統一デザインになりました。低価格モデルから順に「Trident」「Savanna」「Savant」「Dulce Bass」「Django」「Kaiser 10U」、そして2016年7月にデビューした新フラッグシップの「Katana」というラインナップになります。価格も45,000円から20万円超まで幅広いユーザー層に向けています。

IEMを作っているメーカーは最近急激に増えすぎて、どこも見た目が似ているため、メーカーごとの違いや特徴などがなかなか分かりづらかったりするのですが、今回のNoble Audioニューモデルラインナップは、個性的なルックスのおかげでブランドとしての魅力が飛躍的に向上したと思います。もちろん音質についても抜かりありません。

今回、残念なことに資金難でどれも買っていないのですが、色々と試聴したので、勝手ながらモデルごとの印象なんかを書き留めておこうと思いました。(じつは手違いでDulce Bassだけ未聴です・・)。

2016年7月13日水曜日

Astell & Kern AK70 の試聴レビュー

Astell & Kernの低価格ポータブルDAP「AK70」を試聴してきましたので、感想などを簡単に書きとめておきます。

Astell & Kern AK70

Astell & Kern(AK)といえば、つい最近、最新の第三世代DAP「AK300・AK320・AK380」ラインナップを試聴したばかりです。これら第三世代機はどれもサウンドとデザインの仕上がりにとても満足だったのですが、それから休む間も無く、ニューモデル「AK70」が登場しました。

これまでのラインナップの中でもベーシックモデルだった「AK Jr」の後継機という位置づけのようで、販売価格も7万円弱と、AK DAPとしては低価格です。

2016年7月9日土曜日

ヘッドホンアンプの出力とか、インピーダンスについて(後半)

ヘッドホンアンプのパワーについて、前半からの続きです

前半 → http://sandalaudio.blogspot.com/2016/07/blog-post.html

後半は、最近よく注目されている、ヘッドホンのインピーダンスと、アンプの出力インピーダンスについてちょっと触れてみます。

便利な世の中になりました

よく、どんなにパワフルでも、たかがDAPでは大型ヘッドホンを鳴らしきれないとか、据え置き型ヘッドホンアンプは出力インピーダンスが高いため、BA型IEMと相性が悪い、なんて言われています。

前半で見てきたヘッドホンアンプの電圧・電流出力限界と合わせて、アンプ選びの参考になると幸いです。

ヘッドホンアンプの出力とか、インピーダンスについて(前半)

ヘッドホンのインピーダンスが高いと鳴らしにくいとか、アンプの出力インピーダンスは低いほうが良いとか、色々言われていますが、実際のところどんなものなのか、簡単なポイントをちょっとまとめてみました。

ヘッドホンアンプといっても大小様々なタイプがあります

アンプの「音質」というのは、パワーの一言だけで決まるほど単純明快なものではないですが、それでもパワーは重要な要素のひとつです。とくにカタログスペックを見ただけでは案外わかりにくいものですし、誤解されがちです。

メーカー側も、あまり自慢できない部分はカタログスペックから巧妙に隠していたりしますし、逆に、リスナーが一辺倒な偏見を持っていては、メーカーが言わんとしているコンセプトが伝わらなかったりします。そのへんをちゃんと深読みできるようになれば、メーカーごとのポリシーや技術レベルなど、意外な側面が見えてきたりします。

2016年7月4日月曜日

Cowon Plenue Sのレビュー(長期間使った感想)

今回は韓国Cowon社のポータブルDAP「Plenue S」について、再度紹介します。

内蔵128GBメモリ、バランスヘッドホン出力搭載、PCM192kHz・DSD256ネイティブ再生対応の、ハイエンドDAPです。

日本での発売は2016年3月、現在の売値は20万円くらいです。最近Astell & Kernの高級DAPを試聴してきたりして、金銭感覚がマヒしてしまいそうですが、20万円というのはDAPの中でも高価な部類です。

Cowon Plenue S

このPlenue Sは発売当時にこのブログで簡単に紹介したことがあるのですが、(→ http://sandalaudio.blogspot.com/2016/02/cowon-plenue-s.html)それから色々と考えた末に、最近ついに買ってしまいました。

ということで、追記というか、実際買って使ってみた感想なんかを書き留めておこうと思いました。

2016年7月3日日曜日

Beyerdynamic AK T8iE MkIIについて

2016年6月21日に、Astell & Kern Beyerdynamic AK T8iE MkIIが発表されました。

発表とほぼ同時に、旧型モデル(初代AK T8iE)との入れ替えが始まりました。初代AK T8iEが発売されたのは2015年11月のことだったので、わずか半年でMk IIへのモデルチェンジとなった、異例の事態です。

AK T8iE MkII

初代AK T8iEは、私自身が日々愛用している、素晴らしいシングルダイナミック型IEMなのですが、私を含めてAK T8iEオーナーは「Mk II発表」のニュースを見て、驚いたのと同時に、「ああ、やっぱりな・・」という諦めのような気持ちを感じたと思います。

ベイヤーダイナミックが誇るテスラテクノロジーを搭載した、同社初の高級イヤホンということで、期待が高く、実際の音質も想像以上に凄いのですが、発売当時からオーナーを悩ませていた問題点をいくつか体験してきました。今回のMk II発売は、これら問題点を改善するために出た「対策品」というわけです。つまり、買うなら今です。

2016年6月23日木曜日

Simaudio MOON 430HAD 230HAD DAC ヘッドホンアンプの試聴レビュー

カナダのオーディオブランド「SIMAUDIO」のDAC・ヘッドホンアンプ「430HAD」と「230HAD」を試聴してきました。

SIMAUDIO MOON 430HAD

2016年2月に登場した上位モデル430HADの方は、販売価格が54万円!ということで、数あるヘッドホンアンプの中でもとびきり高価な部類です。先日紹介したAK300シリーズ、JH Audio Layla IIにつづいて、「欲しいけど高すぎて買えない」シリーズ第三弾になってしまいました。

フルサイズコンポーネントの430HADと、コンパクトなデスクトップデザインの230HADという兄弟モデルで、搭載しているDACやアンプのテクノロジーは共通しているものの、サウンドに貢献するオーディオ回路の物量が異なります。ちなみに230HADのほうが先行して発売されており、こちらは現在20万円くらいで流通しています。

どちらもガジェット系ヘッドホンオーディオとは一線を画する、伝統的なオーディオメーカーによる渾身の機器なので、「高級ヘッドホンを買ったけれど、それに見合うだけの優れたアンプを探している」という人にとっては、かなり理想的な最上級ヘッドホンアンプの候補になると思います。

2016年6月19日日曜日

BOSE QC35 ワイヤレス・ノイズキャンセリング・ヘッドホンのレビュー

BOSEのワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホン「QC35」を購入したので、感想などを書き留めておきます。米国では2016年6月上旬に発売されました。

Bose QuietComfort QC35

BOSE社は、これまでワイヤレスヘッドホンの「SoundLink」シリーズと、ノイズキャンセリングヘッドホンの「QuietComfort」シリーズという二種類のラインナップが存在していたのですが、今回発売されたQuietComfort QC35にて、ノイズキャンセリングとワイヤレスの両機能がひとつのヘッドホンに集約されました。いつかは出るだろうと、これを待っていた人は多いと思います。

最近はソニーやゼンハイザーなど各社からワイヤレス+ノイズキャンセリングを両方搭載しているヘッドホンが増えてきたので、ノイズキャンセリングの老舗BOSEから今回発売されたQC35は注目度が高いです。ちなみに私が買ったのはブラックですが、ほかにシルバーもあります。

2016年6月17日金曜日

JH Audio Layla IIの試聴レビュー

前回AK300シリーズDAPを試聴したのですが、その時についでに米国JH AudioのIEMイヤホン「Layla II」も試聴する機会がありました。というわけで、「欲しいけど高くて買えない」シリーズ第二弾です。

左右各12ドライバを搭載したJH Audioの最上位フラッグシップ機で、2016年4月発売時の価格は約39万円(!)という、非常に高価なイヤホンです。

JH Audio Layla II

2016年6月13日月曜日

Astell & Kern AK300 AK320 AK380 試聴と比較レビュー

今回ちょっと縁があってAstell & Kernの第三世代DAPシリーズを全部まとめて比較試聴できる機会がありました。

AK300、AK320、AK380の各モデルを結構まじめに時間をかけて試聴できたので、忘れないうちに感想なんかを簡単にまとめておきたいと思います。

AK300 AK320 AK380 AK380 Copper

どのモデルも高価な商品なのですが、前世代のAK100II、AK120II、AK240が想像以上にロングセラーで好調な売上を記録し続けているため、それらの後継機と言うべき最新モデルは注目度が高いです。

私自身はAKのDAPを新品で購入したことは無いのですが、AK240を友人から中古で買い取って数ヶ月ほど使っており、それからまた別の縁がありAK240SSに乗り換えて使っていました。そのため第三世代DAPがどれくらい進化しているのか気になります。

2016年6月3日金曜日

AudezeのLightning DACケーブル「Cipher」試聴レビュー

AudezeのDACアンプ内蔵ケーブル「Cipher」を使ってみました。現在は同社のSine・EL-8ヘッドホン端子のタイプが発売されています。

Audeze CipherケーブルとEL-8 Titanium

iPhoneやiPadとかのiOS「Lightning端子」専用のヘッドホンケーブルで、iPhoneからは音声がデジタルで送られ、ケーブルの中間にあるリモコンのような部分にDAC+ヘッドホンアンプが隠されています。これさえあれば別途DACアンプを併用せずとも、iPhoneやiPadのショボい内蔵オーディオに頼らずヘッドホンリスニングが楽しめる、という優れものです。

前回Sineヘッドホンを試聴した際には残念ながらまだこのケーブルが無くて、3.5mmアナログケーブルのみだったのですが、今回試聴用サンプルがある店を見つけたので、気になって試してみました。

2016年5月28日土曜日

Fostex T50RP T40RP T20RP mk3nの試聴レビュー

Fostexの大人気ヘッドホンRPシリーズが「mk3n」にフルモデルチェンジしました。

2015年下旬にはまず先行してセミオープン型のT50RP mk3nが発売し、2016年4月になって開放型のT20RPと密閉型のT40RPがそれぞれmk3nになりました。

三兄弟揃い踏み

今回これらを全部同時に試聴できる機会があったので、それぞれの違いなんかの感想を書き留めておこうと思いました。ちなみに、折角なので、自分の所有しているTH500RPも持参して比べてみました。

このRPシリーズは3モデルとも標準価格が20,000円なので、上下関係ではなく純粋に音質の好みで選べるという、悩ましくも厄介なラインナップになっています。先行して発売した、一番人気であろうT50RP mk3nは、現在実売で15,000円くらいになっています。

2016年5月15日日曜日

Fiio X7 アンプモジュール AM5 (あとBluetoothリモコン Fiio RM1)

Fiio X7用の高出力アンプモジュール「AM5」をちょっと試聴してみました。

Fiio X7 AM5モジュール

これまでに、X7本体に付属している「IEM用モジュール AM1」、それから別売の「ミディアムパワー AM2」がありましたが、今回の「ハイパワー AM5」で、当初から予定されていたモジュール三兄弟が出揃ったことになります。とりあえずこのAM5が出るまで様子見していたX7オーナーも多いことでしょう。

あと、残るは「バランス接続 AM3」モジュールが予定されています。(それとダミー用の「AM0」も出るそうです)。

2016年5月3日火曜日

Beyerdynamic T1 (初代)のリケーブル改造とか

先日、ベイヤーダイナミックT1の限定版モデル「90th Anniversary Edition」についてちょっと紹介しました。

通常モデルのT1に特別なバランス接続対応ケーブルを装備した限定モデルでしたが、これが通常モデルと比べて格別に高音質で、非の打ち所が無いような素晴らしいヘッドホンだったため、私の持っているT1がなんとなく色褪せて見えてしまいます。

というわけで、私のT1も購入から7年でそろそろ古くなってきたので、このまま時とともに引退させるのも勿体無いですし、これを期にちょっと改造してみようかと思いました。

リケーブル可能にして、90th限定モデルと同じケーブルを接続したらどうなるのか実験してみようと思い立ったわけです。

初代T1をリケーブル改造して、T1 90thに近づけるでしょうか

2016年5月2日月曜日

ベイヤーダイナミック T1 90th Anniversary Edition 限定モデルについて

今回は、ちょっと古いモデルですが、ベイヤーダイナミック「T1 90th Anniversary Edition」ヘッドホンを紹介しようと思います。

Beyerdynamic T1 90th Anniversary

全世界で600台限定で、その名の通り1924年創業のベイヤーダイナミック社創立90周年記念を祝して2014年末に発売されたスペシャルモデルです。

一見してわかるようにカラーリングが特別仕様になっていますが、それだけではなくケーブルも特製バランス対応タイプが装備されており、サウンドも通常モデルとかなり違います。

なかなか中古品などでも見かける機会がありませんが、今回友人と物々交換で一ヶ月ほど借りて使っていたため、せっかくなので写真とかを載せようと思いました。

2016年4月29日金曜日

Audeze SINEヘッドホンの試聴レビュー

Audezeのコンパクトポータブルヘッドホン「SINE」を試聴してきましたので感想を書いておきます。

Audeze SINE

米国で$449(5万円くらい)で、オンイヤー型のコンパクトヘッドホンなのに、Audezeが誇る新開発の平面駆動型ドライバを搭載しているという魅力的な商品です。また、カリフォルニアにある本社工場での「Made in USA」というのも嬉しいです。

2016年4月に米国で発売されましたが、大人気のため生産が追いつかない状態が続いています。

Audezeといえば超弩級の平面駆動型ヘッドホン「LCD」シリーズで有名で、最近では50万円以上もする最新最上位モデル「LCD4」が発売されたばかりです。今回のSINEというヘッドホンはAudeze的にどのような位置づけを狙ったモデルなのか気になったので、数時間ほど試聴してみることにしました。

また、今回は使いませんでしたが、このSINEヘッドホンの発売と同時に「Cipher」というiPhone用Lightning端子DAC内蔵ケーブルという話題性の高い製品も登場しました。

今回は試聴機だったので、フレームに保護ビニールが貼ってあったりします。剥がすのも申し訳ないので、そのまま写真を撮りました。

2016年4月20日水曜日

Fiio X5 2nd Generationのレビューと、S/PDIF DoP DSD出力について

発売からずいぶん時間が経っており、いまさら感もあるのですが、Fiio X5 2nd Generation (X5-II) を購入しました。

ゴールド、ブラックが追加されたX5-II

シンプルな操作性ながらクールなデザインと音質に定評があり、5万円台のポータブルDAPの中ではそこそこ人気があるようです。私自身はこれまでFiio X3, X5, X3-IIと乗り継いでおり、最近になってX5-IIを買いました。

購入した事情はいくつか思い当たるのですが、まず2016年に入ってから新ファームウェア「1.27 beta」で新たに「同軸S/PDIF デジタルにてDSD出力(DoP)」が出来るようになりました。これまで、このS/PDIFでDoP出力ができるDAPというのがあまり無かったので、(Cayin N5とか、AK380とか?)この時期にFiioがファームウェアで追加対応してくれたのはとても嬉しいです。(AKとかにも同じくファームウェア対応を頑張って欲しいです)。

X5-IIもそろそろ古くなってきたせいか、テコ入れのためにニューカラーも登場しましたし、せっかくなので購入を期会に再考してみようと思いました。

2016年4月15日金曜日

Fiio X7 アンプモジュールAM1 AM2

FiioのポータブルDAP「X7」は、ヘッドホンアンプ部分がモジュールとして着脱交換可能というのがひとつのセールスポイントになっています。



X7に標準装備されている「AM1 IEMパワーモジュール」とは別に、「AM2 ミディアムパワーモジュール」というのが登場しました。また、[AM3 バランスモジュール」「AM5 ハイパワーモジュール」というのも近々出る予定です。X7本体価格が10万円くらいなのとくらべて、モジュールは1万円程度なので、意外と手頃です。

私自身はX7を持っていないのですが、先日AM1とAM2モジュールの違いをチェックしてみろと誘われたので、簡単な試聴と、出力を測ってみました。(AM3、AM5はまだ発売前なので未聴です)。

測定すると一目瞭然なのですが、AM1とAM2の特性はどちらが優れているというわけではありません。用途に応じて使い分けることが肝心なようです。

2016年4月14日木曜日

iFi Audio micro iDAC2のレビュー

iFi AudioのUSB DAC 「micro iDAC2」を購入しました。

英国のオーディオメーカー iFi Audioの製品はガジェットマニア的に興味を惹かれるものが多く、値段も手頃なため、ついつい誘惑に負けて、手を出してしまいます。

iFi Audio micro iDAC2

今回も、じつは上位機種の「micro iDSD」をすでに所有しているのにもかかわらず、その機能限定版とも言うべき「micro iDAC2」を買い足しました。

これはただの気まぐれではなく、最近ずっとメインシステム用のUSB DACを探し回っていて、結局これを選びました。ライン出力用途ではmicro iDSDとくらべてはっきりと実感できる音質向上があります。

2015年7月発売のモデルで、店頭価格が6万円くらいのUSB DACなので、あまり高級とも珍しい製品とも言えませんが、最近流行りのDXDやDSD256完全対応ですし、音質はとびきり良いです。micro iDSDと比べると影が薄い存在ですが、実は据え置き型USB DACのダークホースだったりするかもしれません。

2016年4月6日水曜日

AKG K872とか、K812のケーブルとか

AKGから新たに「K872」ヘッドホンが発表されました。

これまでのフラッグシップ機で開放型ヘッドホンの「K812」を、そのまま密閉型にしたデザインです。まだ未聴なので、レビューとかではないですが、最近K812をずっと毎日使っていたので、つい気になって色々と日記的にダラダラと書いてしまいました。

AKG K872

個人的に、自宅でのリスニング用メインヘッドホンとして日々愛用しているK812なので、そのバリエーションモデルの登場は興味を引きます。とは言っても、きっと値段は高いんでしょうね。これを書いている時点ではまだ正式な発売日や価格などはわかりませんが、見たところK812と同等の位置づけのようですね。

K812は素晴らしいヘッドホンなのですが、唯一問題だと思っているのがケーブルです。このK872も同じケーブル仕様みたいなので、そこがちょっと心配です。

2016年4月5日火曜日

Optoma NuForce HEM マルチBA型イヤホンの試聴レビュー

NuForceから新たに登場したマルチBA型IEM 「HEM」シリーズを試聴してきました。

2016年のCES展示会にてデビューした新シリーズで、これを書いている時点では限定的な地域で少数が出回っているようです。近々さらに手広くセールス展開されると思います。

Optoma NuForce HEMシリーズ

NuForceというと、2014年に発売された「Primo 8」という4BA型IEMが非常に高音質で人気がありましたが、会社的に色々とゴタゴタがあったようで、好評のうちに表舞台から姿を消していました。

それから2年後、新たな資本傘下で再生したNuForceが発表したNEWシリーズがこの「HEM」というわけです。

1~4基のBA型ドライバを搭載したIEMなので、一見もう使い古された構成のように思えますが、神出鬼没なオーディオメーカーNuForceというブランド力もあり、やはり気になる存在です。

2016年4月4日月曜日

ソニー h.ear in NC MDR-EX750NA ノイズキャンセリングイヤホン Bose QC20と比較とか

ソニーのアクティブノイズキャンセリング式イヤホン「MDR-EX750NA」を購入しました。

最近ソニーがプッシュしている「h.ear」シリーズに属するモデルで、「h.ear in NC」という愛称でも呼ばれています。

h.ear in NC MDR-EX750NA

同じデザインで、ノイズキャンセリング未搭載の「MDR-EX750AP」や、Bluetoothワイヤレスの「MDR-EX750BT」というモデルも登場しましたが、今回はノイズキャンセリングタイプのみを購入しました。ちなみに日本国内版は現在グレーのみなのですが、海外ではカラーバリエーションが豊富なので、並行輸入品のブルーを選びました。

この手のイヤホンに興味がある人であれば想像すると思いますが、ベストセラー王座に君臨するBOSE QuietComfort 20 (QC20)と機能が似ており、ライバルモデルと考えられます。

このEX750NAは、3~4万円台のBOSEと比べて格安な16,000~20,000円あたりで販売しているので、ノイズキャンセリング式イヤホンが欲しい人にはかなり魅力的なモデルだと思います。

私自身はすでにBOSE QC20とQC25を所有して、出張や長旅などで使い倒しているのですが、そろそろ飽きてきたところで、今回のソニーを買ってしまいました。とくにQC20との比較が気になります。

2016年3月29日火曜日

JVC WOOD 01 HA-SW01 ヘッドホンのレビュー

JVCケンウッドの「WOOD」シリーズヘッドホン「WOOD 01 (HA-SW01)」を購入しました。

2015年12月に発売されたヘッドホンで、その名の通り「ウッド素材」をテーマとしたモデルです。木製ハウジングだけではなく、ヘッドホンのドライバ振動板そのものが木材で出来ているという、とてもユニークなコンセプトが注目を集めています。

JVC WOOD 01 (HA-SW01) - ウッド振動板が見えます

一見コンパクトなミドルクラスヘッドホンのようなデザインですが、定価が約76,000円、私が購入した時点での店頭価格も6~7万円前後と、見かけによらず結構な高級ヘッドホンです。

JVCは同価格帯でさらに大型のヘッドホンHP-DX1000などを販売していますが、あちらは2005年のモデルでもうずいぶん古くなっているため、最新鋭モデルとなると、今回紹介するWOOD 01が実質的なJVC渾身のフラッグシップ機にあたるのかもしれません。

2016年3月21日月曜日

Beyerdynamic T5p 2nd Generation の試聴レビュー

今回紹介するのは、ベイヤーダイナミック「T5p」の後継機「T5p 2nd Generation」です。

T5pというと、ベイヤーダイナミック独自の「テスラテクノロジー」を搭載した密閉型ヘッドホンとしては最上位モデルで、半開放(セミオープン)型ヘッドホン「T1」の兄弟機として販売されています。

Beyerdynamic T5p 2nd Generation

フラッグシップモデルである「T1」のサウンドを、遮音性の高い密閉ハウジングと低インピーダンス化によって、ポータブルヘッドホンとして使えるように、という要望から生まれたモデルなのですが、T1・T5pともに約10万円というほぼ同価格なので、用途に応じてどちらを選ぶか非常に悩ましいラインナップです。

初代T5pは2010年デビューということでそろそろ年季が入ってきたようで、2015年の「T1 2nd Generation」発売につづいて、2016年3月に「T5p 2nd Generation」としてリニューアルされました。

単純な外装のブラッシュアップだけではなく、チューニングの見直しによって別物のヘッドホンとして蘇ったため、初代T5pのサウンドがあまり好みに合わなかった人にも、ぜひ試聴してもらいたい素晴らしい仕上がりです。

また、昨年発売された「Astell & Kern AK T5p」というコラボモデルもありましたので、それも含めて試聴してみました。

2016年3月10日木曜日

Violectric HPA V281 ヘッドホンアンプのレビュー (私の新たな主力アンプです)

今回は、ドイツからやって来た大型ヘッドホンアンプ 「Lake People Violectric HPA V281」を紹介します。

前回の記事で書いたように、これまで五年間ずっとメインのヘッドホンアンプとして愛用してきたGrace Design m903を引退させたのですが、それに変わるアンプとして購入したのが、このV281です。

Violectric V281

すでにご存知かと思いますが、私は日々いろいろなヘッドホンで遊ぶことを趣味としているため、どんなに過酷な条件でも期待に答えてくれるだけの高パワー・高音質・そして透明性のあるヘッドホンアンプが欲しいと思っています。m903を手放そうと思い立ってから、かれこれ1年ほど後継機を探し続け、試聴を繰り返した末にようやくたどり着いたのがこのViolectric V281でした。

2016年3月1日火曜日

JH Audio Astell&Kern Rosie イヤホンの試聴レビュー

先日、友人がJH AudioのIEMイヤホン「Rosie」を購入したので、それを借りてじっくりと試聴する機会がありました。

JH Audio Astell&Kern Rosie

JH (Jerry Harvey) Audioというと、RoxanneやLaylaなどの超高級イヤホンメーカーとして有名です。自分専用の耳型に合わせて作る「カスタムIEM」がメインですが、ユニバーサル型のイヤホンも作っており、中でも2014年に発売されたRoxanne Universal Fitは、17万円という高価なモデルでありながら、愛用者が多い人気商品です。

Rosieはその中でも低価格モデルとして2016年に登場したニューモデルで、これまでのようなプラスチック製ボディではなく、新開発メタルボディになったことが注目を浴びています。

Grace Design m903 ヘッドホンアンプのレビューと、お別れ

今回は、アメリカ・コロラド州からやってきたDAC・ヘッドホンアンプ複合機「Grace Design m903」について紹介します。

Grace Design m903

2011年に購入してから5年間、ずっと自宅のメインヘッドホンアンプとして愛用してきました。重度のヘッドホンマニアとして、これまでに何十台ものヘッドホンを購入していながら、ヘッドホンアンプはこのm903を使い続けていたので、相当な愛着があります。

今回、思うところがあり、ようやく手放すことになりました。とはいっても音質に不満があるわけではなく、本当に素晴らしい製品だと思うので、この期会に簡単に紹介しようと思いました。

ちなみに2016年現在、DAC部分がさらに高性能になった後継機「m920」が販売されていますが、外観や操作性はm903とほぼ一緒です。


2016年2月23日火曜日

ゼンハイザー IE80 イヤホンの謎と、ケーブル交換の音質変化について

今回は、イヤホンやヘッドホンのケーブル交換によって、本当に音質が良くなるのか、という話題です。

ゼンハイザーIE80というイヤホンは、2011年に発売して以来、ずっと好調な売上をキープしている、息の長い商品です。

発売当時から高音質イヤホンとして人気がありましたが、あの頃はバランスド・アーマチュア(BA)型イヤホン全盛期だったので、3万円台という価格帯でBA型に対抗できるダイナミック型イヤホンということで、IE80は珍しい存在でした。

最近ではBA型を押しのける勢いで、様々なメーカーによるダイナミック型イヤホンの人気が再燃しているようですが、そんな中でも流行に流されない「オススメ定番モデル」として不動の地位を得ているのがIE80です。

IE80についてはちょっと前にレビューで紹介したのですが、先日ネットでIE80用のカッコいいケーブルを見つけて、ついつい買ってしまいました。(メーカーとか素材は不明です)。

IE80用の社外品アップグレードケーブル

このケーブルに交換してみたところ、IE80の音質が飛躍的に良くなりました。全く別物だと断言出来るほどの性能アップです。

たかがケーブル交換だけで、ここまで音質が変わるというのも信じ難かったため、色々と調べてみたところ、意外なところに確かな理由がありました。